1.労働時間管理と割増賃金
卸売業の労務管理上の課題として、長時間労働と残業代の未払いの問題があげられます。
卸売業では、一般に営業社員が多く存在します。営業職に対しては、卸売業に限らず、事業場外労働が多いという理由で、定額の営業手当等を支払うことで、残業代を支払っていないケースが見受けられます。確かに、事業場外労働に関しては、みなし労働時間制の適用が可能ですが、この適用には、「労働時間を算定しがたいとき」という前提があります。
現在では、携帯電話が普及していますので、労働時間を算定しがたいという前提にやや無理があります。また、このケースでは事業場外、事業場内あわせて所定労働時間働いたとみなしますので、通常所定労働時間内に業務が終わらないことが多いケースでは、適用に無理があります。
残業が前提の場合、労使協定を結んで、「当該業務の遂行に関して通常必要とされる時間」を定め、この時間働いたとみなすことも可能です。しかし、「みなす」ことができるのはあくまでも事業場外労働分であり、全体の労働時間については、事業場内労働分と合算する必要があります。
いずれの場合も、みなし労働時間制で処理するには無理があると考えられます。
一方、営業手当等を残業代に充当するためには、賃金規程にその旨を明確に位置づける必要があります。つまり、営業手当は残業代として支払うこと、そして実際の残業代が営業手当を上回った場合は差額を支給することを規定する必要があります。
残業代の支払いについては、時間外労働を明確に把握して、それに対して法定通りの残業代を支払うこと、成果や業務の効率に対しては、評価を行い、賞与の支給や昇給で差をつける方法が現実的と考えられます。
2.業務の効率化
卸売業の労務管理上の課題として、長時間労働と残業代の未払いの問題があげられます。
卸売業では、一般に営業社員が多く存在します。営業職に対しては、卸売業に限らず、事業場外労働が多いという理由で、定額の営業手当等を支払うことで、残業代を支払っていないケースが見受けられます。確かに、事業場外労働に関しては、みなし労働時間制の適用が可能ですが、この適用には、「労働時間を算定しがたいとき」という前提があります。
現在では、携帯電話が普及していますので、労働時間を算定しがたいという前提にやや無理があります。また、このケースでは事業場外、事業場内あわせて所定労働時間働いたとみなしますので、通常所定労働時間内に業務が終わらないことが多いケースでは、適用に無理があります。
残業が前提の場合、労使協定を結んで、「当該業務の遂行に関して通常必要とされる時間」を定め、この時間働いたとみなすことも可能です。しかし、「みなす」ことができるのはあくまでも事業場外労働分であり、全体の労働時間については、事業場内労働分と合算する必要があります。
いずれの場合も、みなし労働時間制で処理するには無理があると考えられます。
一方、営業手当等を残業代に充当するためには、賃金規程にその旨を明確に位置づける必要があります。つまり、営業手当は残業代として支払うこと、そして実際の残業代が営業手当を上回った場合は差額を支給することを規定する必要があります。
残業代の支払いについては、時間外労働を明確に把握して、それに対して法定通りの残業代を支払うこと、成果や業務の効率に対しては、評価を行い、賞与の支給や昇給で差をつける方法が現実的と考えられます。
このコラムに類似したコラム
小売業の労務管理 西川 幸孝 - 経営コンサルタント(2010/10/19 13:40)
製造業の労務管理(1) 西川 幸孝 - 経営コンサルタント(2010/10/03 22:15)
運送業の労務管理 西川 幸孝 - 経営コンサルタント(2010/10/19 14:10)
医療・介護サービス業の労務管理 西川 幸孝 - 経営コンサルタント(2010/10/19 14:06)
製造業の労務管理(3) 西川 幸孝 - 経営コンサルタント(2010/10/19 13:30)