昨日からの続き、戦略的であるということの意味合いについて。
ここでは具体的な失敗例でも用いて説明してみます。
とある大企業が自社の商品を売り込みたいとします。
その企業はその商品を息の長い自社の大黒柱のような存在に
育て上げることを考えているとします。
そこでその企業は今売れているお笑い芸人さんをCMに起用する
ことでてっとり早く注目を集めることにしました。
飛ぶ鳥を落とす勢いのその芸人さんの人気に引っ張られ、その
商品もすさまじい勢いで売れていきます。
さて、お笑い芸人の人気ほどあっという間にすたれるものはありません。
その芸人さんの人気も一年もたない内に失墜しました。
この場合、当然のことながらCMをしていた商品についても
悪影響を及ぼすことになるでしょう。
何せ「あの落ち目の芸人がCMをやっている商品」なのですから。
実際にこのような動きを見せるかは分かりません。
しかしこれと似たような例はいくらでもあります。
短期的に効果を出すための行動が長期的な利益を保証するとは限らない。
上記の例では、戦略である「長期的な収益の柱に育てる」ことを達成するために
「短期的な人気しか望めないお笑い芸人」を使ったことが誤りです。
本来の戦術とは「戦略を充足させること」が目的のはずなのです。
しかしながら、ついつい短期的な目標ばかりを追い続けてしまいやすい。
企業は戦略的であるべしとはこのような自戒を込めての言葉です。
この項、明日に続く。
いつもお読み頂き、ありがとうございます。
このコラムの執筆専門家

- 高橋 昌也
- (税理士)
- 高橋昌也税理士・FP事務所 税理士
「税務×経営コンサルティング」の複合サービスを提供します
節税だけ考えていては事業の根幹が危うい時代。当事務所は、税務・会計はもちろん、マーケティングや経営戦略提案にも強みを発揮。とくにキャッシュベースの経営を重視し、小規模事業体が「いかにキャッシュを毎月手元に残すか」のアドバイスを行います。
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