- 小川 正之
- マネーアドバイザーズトウキョウ株式会社 COO(最高執行責任者)
- 東京都
- ファイナンシャルアドバイザー
対象:年金・社会保険
確定拠出年金の質問・相談で最も多いのが、「運用商品の選び方」についてです。
“これが正解です”“この商品が1番良いです”というものはありません。
それぞれのお考え(リスク許容度や計画・目標)に合わせた運用が望ましいです。
以下、ご自身のお考えに適した運用をするため(運用商品を選択するため)に参考にしていただければ幸いです。
確定拠出年金の…
・運用の目的は? : 老後の資金づくり
・運用の期間は? : 長期(原則60歳以降まで受け取ることができません)
・運用の方法は? : 毎月の積み立て投資(一括投資ではなく、毎月コツコツ積み立てる)
目標設定
個人の運用には、目的がありゴールがあり、まずはそれを明確にすることが大切です。その上で、その目的・ゴールにおける目標を設定し、そこから逆算をするかたちで運用方法や運用商品を決めていくの良いと思います。
「○○歳時点で○○万円の資産をつくることが目標、その目標を達成するために毎月○○万円の拠出で○○%の運用が必要、そのための資産配分は…」という順番で考えてみてはいかがでしょうか。
基本的には、1つのカテゴリー(商品)に集中投資をするのではなく、分散投資が望ましいと思います。分散投資における各カテゴリー(商品)の比率によって、目標リターン(利回り)やリスクは変わります。お考えに合わせたポートフォリオ(資産配分)を決めて、そこに当てはめるように商品を選択するのが良いと思います。
また、確定拠出年金以外に老後資産づくりとしている資産があるのであれば、そちらも含めて総資産で考えることが大切です。
ドルコスト平均法
確定拠出年金は毎月の積み立て投資であり、ドルコスト平均法という投資手法です。一括投資とは異なります。
毎月同じ金額の積み立てでも、投資対象の価格が下がっている時には多くの口数を購入することができます(価格が上がっている時には少ない口数しか購入することができません)。その為、長期間続けることで、平均の購入単価を低く抑える効果があります。投資のタイミングを分散することにより、一括投資よりもリスクが低いと言われています。
ご自身のお考えに合った資産配分で運用できているのであれば、時間を味方にして一喜一憂せずに積み立てることが大切です。しかしながら、定期的なメンテナンスはした方が良いので、その点は下記「リバランス」の説明をご確認ください。
リバランス
お考えに合わせたポートフォリオ(資産配分)で運用をしていても、投資環境の変化・変動により、その資産配分が崩れることがあります。リバランスとは、崩れたバランスを整えて、当初の資産配分の割合に戻すことです。具体的には、一部の資産を売却・購入します。確定拠出年金においては、「スイッチング」という手続きをすることになります。
また、ライフプランや運用意識・リスク許容度が変化した際には、ポートフォリオ(資産配分)自体を見直す必要があるかもしれません。資産配分は“決めたら終わり”ではありません。
半年毎・1年毎など、ご自身でルールを決めて状況の確認やリバランスをすると良いと思います。その際に、ご自身のお考えに適した資産配分かどうかという点も改めて確認をすることが大切です。
スイッチングと配分変更
確定拠出年金における運用見直しの方法には、「スイッチング」と「配分変更」があります。
●スイッチング
今までに積み立ててきた資産(運用中の資産)が対象です。その資産の一部または全部を解約・売却して他の商品を購入することです。
●配分変更
今後の掛金が対象です。今後、新たに拠出する毎月の掛金で購入する商品と配分割合を変更することです。今までに積み立ててきた資産は変更されずそのまま運用されます。
次回は投資信託等の具体的な運用商品について解説します。
弊社は、それぞれのお考えに合わせたライフプランニングやポートフォリオ作成を提供しております。
ご質問やご相談等がございましたら、お気軽にご連絡ください。
http://www.money-advisers-tokyo.com
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