一般的な人事評価の心得のような内容を制度運用の手引き書に記載したのですが、それを見ていた社員の方が「前からこういう内容を知っていれば、もっときちんとした評価ができていたと思う」というような話をされていました。
もちろん知っていればできるという事ではありませんが、人事評価を行うにあたっての基礎知識や心構えなど、自分だけではなかなか調べる機会もないものですし、知らなければできないというのもまた事実です。
「評価結果の精度向上が人事制度運用の上で最も重要である」として、評価者のスキル向上のため評価者研修などに力を入れている会社もあります。これ自体は大変すばらしいことですが、中小企業では研修という形で実践することはなかなか難しいことが多いです。
私が制度作りをする時、評価の目線合わせは実際の運用の中で評価調整会議などを設け、その中で行うようにすることが多いのですが、これも研修をやる実務上の負荷や実施効果を考慮してのものです。
研修などで手間ひまかけられるなら、それに越したことはないと思いますが、出来ないなら出来ないなりに、ただ知識として周知しておくだけであっても何もしないよりは効果があります。
どんなことでもそうですが、自社の身の丈に合わせて出来ることを考えながらやっていく姿勢が大切だと思います。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。
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