- 松岡 利恵子
- アールオンワード 代表
- 研修講師
対象:ビジネススキル
- 吉武 利恵
- (人の印象の専門家)
- 牛山 恭範
- (ビジネススキル講師)
アールオンワード松岡利恵子です。
一流ホテルで培った接遇・コミュニケーションスキルと長年の司会スキルを活かしたプレゼンテーション術・話し方をお伝えしています。
今回は敬語の使い方についてです。
研修でも敬語や言葉遣いには皆さん関心をお持ちになる方が多いです。わかっているようで自信がない…実際の事例を用いて考えてみましょう!
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先日の美容室での出来事。
常連らしき優雅で素敵なマダムに、他店から異動してきたというスタッフがご挨拶していました。
「はじめまして。私、○○と申します。前は星ヶ丘店で働かさせていただいてました」
働かさせていただく
この言葉がマダムにはなかなか聞き取ることができず、何度も聞き返していました。
せっかくの自己紹介、訳わからないこと言ってたなだとコミュニケーションを深めることは出来ず、もったいないです。
元凶は、「働かさせていただく」というまどろっこしい言い方。
そもそも敬語としても文法としても間違えた使い方になっているから、変なコトバだなーとなります。
●言葉としての間違いポイント
働くは動詞五段活用。五段活用の場合は(さ)を抜き
〜せていただく
が文法として正しい使い方です。
まず言葉として
働かせていただいてます
が正しいですね。
では使い方はどうでしょうか。
●使い方の間違いポイント
させていただくは
①相手、第3者の許可を得て行う事柄
②そのことで自分が恩恵を受けられること
要は誰かからお願いや依頼されたことへの対応、もしくは自分にとって利益やメリットなどの良いことが起こるという時に使う言葉なのです。
ということは…
【NG】マダムに対して、(お客様のご希望とは関係ないですが)働かせていただいてます。
【OK】オーナーに対して、(雇っていただいたおかげで)働かせていただいてます。
新人美容師さんはマダムに対して敬意を払ったつもりでしょうが、マダムが採用したわけでもお給料を支払っているのでもなければ、ここで働くことを斡旋したわけでもありませんので、許可をもらうこと、利益をうけたことに対する言葉は間違った使い方なのです。
OKの事例のように、自分の会社のオーナーへの敬語となりオーナーや上司に対して使う時に問題ない言葉になっています。
これをお客様にお話するということは、身内の上司に敬語を使っている状況と似ています。
聞きようによっては、お客様<オーナーとなってしまいます。
取引先に
田中部長は外出なさっています
と言ってしまうのに近いですね。
敬語を少し間違えても大きな問題ないだろうとタカをくくっていると、意外と信頼ダウンになる落とし穴を作ってしまうかもしれませんね。
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