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対象:会計・経理

高橋 昌也
高橋 昌也
(税理士)

閲覧数順 2017年04月23日更新

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「税務リスク」という言葉について

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前回、経費について触れた際、「税務リスク」という言葉が登場しました。
これは、いったいどのようなものでしょうか?

フリーランサーや起業した後の会社の損益は、ざっくり言うと、売上から経費を差し引いた金額(利益)を元に決まります。

(以下、利益が出ていることを前提に書きます)

利益の金額が大きくなると達成感を得られますし、利益の高さを対外的に謳うことができるなどのメリットもありますが、実際、金額が大きければ大きい程に税金は高くなるものですから、誰しも支払う税金は少なくしたいと考えます。

では支払う税額を減らす=利益を少なくするには、どのような方法があるかというと、極端に言えば、
・売上を実態よりも少なく計上する
・経費をできるだけ多く積み増す


この二つしかありません。
しかし、前者の「売上を少なくする」というのは、かなりリスキーです。

売上を過少申告するというのは昔からよくある手口ですが、会計というのは辻褄が合うようにできていて、逆に辻褄が合わない場合は、必ず何らかの誤り・綻びが出ます。

これを誤魔化した場合、「帳簿と口座が合わない」「よくわからないが、現預金が増えている」という状態になり、何らかの形で指摘を受けた場合、まず言い訳できません。

悪質であると判断されることでのペナルティはもちろん、下手をすると取引先にも迷惑を掛けてしまうことになり、信用を落とすリスクもあります。

特にフリーランサーの場合、相手方が源泉徴収していることも多いでしょうから、こちらが誤魔化しても相手方を経由して発覚することもあります。

飲食店などの現金商売の場合、足のつかない現金だから誤魔化すのも楽だろう、と考える人もいますが、チェックされる時はその分厳しくなるというだけです。

では、
・経費をできるだけ多く積み増す

こちらはどうでしょうか?
節税を意識した場合、とっつきやすいのはこちらです。

例えば「出ている利益の範囲で、経営者や従業員にゴホウビを出す」、「効果は来期以降に出るが、今期の費用にできるものを計上してしまう」などがあります。

具体的には、前者は臨時ボーナスであったり、会社名義で車を買ったり、忘年会を豪華にしてみたり。後者は、PCなどのIT機器や、チリも積もればのトナー等の消耗品を買い溜めするなどの手もあります。

ここで重要なのは、「会計のルールを逸脱しない」ことと、「常識の範囲内で」ということであり、これを破ってしまうと、高い税務リスクを負うことになります。

税務リスクとは、簡単に言えば、後で「この処理はおかしいでしょ」と指摘を受けるリスクのことで、指摘を受けた際、本来納めなければならなかった税額にペナルティを加えた額を納めなくてはなりません。
また、指摘された内容が悪質と判断された場合、更にペナルティがあります。

例えば、上記では「会計のルールを逸脱しない」とありますが、例えばPC等を購入した場合、その金額によって、全てがその年の経費になるか、固定資産扱いとなり数年かけて費用化するか分かれます。
これについて、今回は一括の費用処理をして次回はまた別というように、恣意的に運用することはできません。

また、「常識の範囲内で」という部分については、例えば会社名義で車を買う人も多くいますが、値段的にはせいぜい国産の高級車くらいまでが限度でしょう。
フェラーリなどの桁が違う高級車を会社のお金で買った場合、「それは営業上必要なんじゃなくて、報酬の一部でしょ」となるはずです。(よほどブランドイメージが重要な企業であったり、付き合いで買っているとなると、話は別かもしれませんが)

「リスクを負う」ということについて、差し迫った実害がないせいか、下記のように考える人もいます。
・ウチみたいな売上も規模も小さなところには、チェックなんか入らない。
・よほど悪質でない限りは、チェックが入ったとしても指摘されたら直せばいいだけ。
・必要以上に過敏になって経費計上しない方が損。

これらについては、必ずしも間違っているとは言えません。

また、税務署の方々もお忙しくされていますし、私見では人も足りないはずです。
全てのフリーランサーや企業に目を光らせるなんてことはできません。

しかしながら、チェックが入った時のことを考えると、大抵は、

受けるペナルティ > 今までの節税効果

となることが殆どです。
また、チェックは毎年なんて来ません。何年分かをまとめて見に来ます。
つまり、数年分のペナルティに相当する現金が直近で出て行ってしまうというキャッシュアウトリスクも抱えることにもなるのです。

最後に。
何も私はお国の味方で、「なるべく税金を多く納めましょう」なんてことを申し上げるつもりはありません。

むしろ、税務リスクを抱えることも、その結果ペナルティを受けることも、ペナルティを受けたことによる二次災害があることも、別段構わないと考えています。

ただし、それは必ずそのリスクを認識した上で行うべきだ、ということです。
リスキーなことをやっておいて「知らなかったから云々」というのは、大人の世界では通用しません。

大事なことは、リスクとリターンについて充分に考えた上で、その時に打てる最善の手を打つことであると考えます。

なお、「それがリスキーなことかどうか、わからない」という方は、プロに相談するしかありません。

表現は悪いかもしれませんが、考えられる最悪のケースは素人判断でメリットの無いリスクを負い結果としてダメージを受けることで、せめてリスクを負うならば、実のあるリスクを背負いましょう。

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