「中小会計指針」各論~その8~ - 会計・経理全般 - 専門家プロファイル

山本 憲宏
山本公認会計士事務所 所長
滋賀県
公認会計士
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「中小会計指針」各論~その8~

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しばらくぶりの更新となります。

今日も「中小会計指針」の各論の解説の続きです。

 

今回は、「棚卸資産」です。

 

 

「有価証券」は、25.棚卸資産の範囲、26.棚卸資産の取得価額、27.棚卸資産の評価基準、28.棚卸資産の評価方法、29.損益計算書上の表示及び注記の5つの項目から構成されています。

 

「棚卸資産」の本文をあらためて掲載させて頂きます。

 

・棚卸資産には、商品又は製品、半製品、仕掛品、主要原材料、補助原材料、消耗品で貯蔵中のもの、その他これらに準ずるものが含まれる。

・棚卸資産の取得価額は、取得の態様に応じて購入代価又は製造原価に引取費用等の付随費用を加算する。ただし、少額な付随費用は取得価額に加算しないことができる。

・棚卸資産の期末における時価が帳簿価額より下落し、かつ、金額的重要性がある場合には、時価をもって貸借対照表価額とする。この場合の時価は、正味売却価額をいう。

・棚卸資産の評価方法は、個別法、先入先出法、総平均法、移動平均法、売価還元法等、一般に認められる方法とする。なお、最終仕入原価法も、期間損益の計算上著しい弊害がない場合には、用いることができる。

・棚卸資産について、災害等による時価の下落に応じて簿価を切り下げ、かつ、その金額について重要性があるものについては、注記等により帳簿価額切下額を表示することが望ましい。

 

 棚卸資産については、企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」は公表されています。中小企業会計指針の棚卸資産の規定もこの「棚卸資産の評価に関する会計基準」に準じた規定となっております。

 棚卸資産の評価において、問題になるのは最終仕入原価法を棚卸資産の評価方法として認めるかどうかということです。最終仕入原価法によると、期末棚卸資産の一部だけが実際取得原価で評価されるものの、その他の部分は時価に近い価額で評価されることになるため、無条件に取得原価基準に属する方法として適用としては認めることは適当ではありません。そのため、期間損益の計算上著しい弊害がない場合や、期末棚卸資産に重要性が乏しい場合において容認されることになります。
 ただ、実務的な問題を考慮するならば、棚卸資産の評価方法として、個別法、先入先出法、総平均法、移動平均法を採用する場合においては、棚卸資産を継続的に記録すること、すなわち、継続記録法が行われていることが前提になります。

 多品種の商品や製品を扱っている会社や人的に継続記録法を採用することが困難な場合においては、売価還元法を採用することが妥当ではないでしょうか?

 そして、期間損益の計算上著しい弊害がない場合や、期末棚卸資産に重要性が乏しい場合ということが条件になりますが、最終仕入原価法の採用も中小企業にとっては現実的ではないでしょうか?

 なお、法人税法上の取扱いとしましては、棚卸資産の評価基準の届出がない場合においては、企業は棚卸資産について最終仕入原価法を採用したことになります。そのため、棚卸資産ついて他の評価基準を採用する場合においては、税務署にその旨の届出が必要となります。

 

 次回からは、中小会計指針にそって「棚卸資産」の解説を行っていきたいと思います。

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