ではどうすれば良いのか。子供なのだから大人に育てるしかありませんが、“なぜそこまでしなければならないのか”という気持ちはどうしても残ります。そう感じる理由は二つあると思います。
一つは自分と血がつながった子供でないということ。自分の子なら一人前に育てるのは親の責任として、無意識であっても子供に対する責任感を持っていますが、社員に対してそこまでの気持ちにはなれないということでしょう。
二つ目には見た目や年齢的には大人であるということ。身体的にも精神的、社会的にもこれから成長しなければならない本当の子供なら、“子供っぽくて困る”とは誰も言いませんが、中身だけ子供というのは“今まで何を学んできたんだ”という気持ちが拭えないということではないでしょうか。
本来常識として当たり前と思うことができないのですから、こういう気持ちになるのは当然のことですが、これを冷静に考えると、自分の責任でない過去に原因があることを、いまさら責任を取るのは嫌だと言っているのと大差ないように思います。やはり仕事の一環として取り組まなければならないのだと思います。
子供に対して“お前は子供っぽいから大人らしく振舞え”と言って放っておいてもできるはずがありませんが、子供っぽいという社員に対しては、そんな扱いをしていることが案外多いように思います。結局は子育てと同じで、本人のレベルに合わせて初めは出来そうなことから手取り足取り、徐々に自分でやらせながら一人前にしていく、ということをしなければなりません。
今まではいちいち教える必要の無かったことでも、これからは教えていかなければ成り立たないという覚悟が必要になってきたのかもしれません。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。
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