小笠原 隆夫(経営コンサルタント)- コラム「「お金」でも「地位」でもない若者たち」 - 専門家プロファイル

小笠原 隆夫
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。

小笠原 隆夫

オガサワラ タカオ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
ユニティ・サポート 代表
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「お金」でも「地位」でもない若者たち

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験 2012-07-23 08:00

  ある会社で伺ったお話です。

 

  その会社で給与体系の見直しを行うことになり、社員向けに内容の説明をしたときのことだそうです。

  どんな話をしたかというと、「こういう役割だとこういう給料になる。早く上位ランクになればそれに見合って昇給していくし、いつまでも同じランクに滞留すると昇給しなくなってしまうので、きちんと昇給できるようにランクアップを目指して頑張ってほしい」というようなことだったそうです。

 

  しかし、それに対する若手社員の反応は、「今の給料でも倹約すれば生活できるので、別にいいです」「そんなに偉くなりたいとは思いません」という感じで、あまりにも向上心がなく、ビックリとガッカリだったそうです。

  私が見ている中でも、最近こういう傾向は増えていて、特に若手社員の中では強く感じることがあります。

 

  ただ、彼ら彼女らの中で、お金や地位に執着しない人が増えているのは事実ですが、決して向上心が無い訳ではなく、モチベーションを感じる対象が違ってきているだけだと私は思っています。ストライクゾーンが以前とは変わってきているということです。

 

  もちろんこれは人に寄りけりですが、どちらかというと自分の経済的な裕福さや個人的な上昇志向ではなく、“友人”、“仲間”、“家族”、“チーム”、“社会貢献”、“他者貢献”、“環境”、“弱者救済”、といった事柄の方が優先されることが多いように思います。社会起業家のように、単に収入を得ることを目的として事業を興すのではなく、使命感を持って社会の課題を自らの手で解決すること目標とした起業などとも共通する印象があります。自分自身のことにしても、“自己実現”といった、自分の欲求欲望を満たすこととは違うニュアンスで表現されることが多いと思います。

 

  上司、管理者の世代の人たちは、自分たちの感覚と比較して、「向上心が無い」と嘆きますが、これは人それぞれの持つ価値観によるものですから、他人に言われて急に変わるものではないからですし、嘆いても何の解決にもなりません。

  やはり、相手のツボに合わせたモチベーションアップを考える必要があり、実はそれはちょっとした目線の違いだけではないかと思います。

 

  先日私とお話した方は、「何でいいもの食べたいとか、いい車に乗りたいとか思わないんだろう・・・」とおっしゃっていましたが、今の若い世代からすると、たぶんそんな浪費は敵、無駄なことなんだろうと思います。

 

  「出世していい給料をもらおう」ではなく、ちょっと言い方を工夫して「君がリーダーになるとチームのみんなが仕事しやすくなるぞ」なんて言った方が、やる気が出るのかもしれません。


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