小笠原 隆夫(経営コンサルタント)- コラム「合併で私が経験した事(2)−経営と社員のギャップ」 - 専門家プロファイル

小笠原 隆夫
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。

小笠原 隆夫

オガサワラ タカオ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
ユニティ・サポート 代表
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合併で私が経験した事(2)−経営と社員のギャップ

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験 2007-10-08 00:00
 合併、M&Aの意義で語られるのは、たいがい大局的な事業展開上のメリットです。競争力を高める、開発力を高める、財務体質強化、その他いろいろです。私が経験したケースもそんな話でした。

 しかし経営者にはもっと直接的な意義があります。例えば中小企業では社長個人が会社の債務を抱えていて、それが清算できるかもしれません。思いのほか大きい企業の社長になれるかもしれません。事業拡大して株式公開できたり株価が上がったりすれば、資産を築けるかもしれません。会社を売って自分は引退なんていう事もあります。大企業では当てはまらないかもしれませんが、私の経験した中では、そんな政治的な話や個人の事情に関わる話も見え隠れしていました。

 合併交渉を主導するのは当然経営者同士です。まず当面の話題は合併方式、役員構成、組織構成など、対外的な見え方と双方の力関係にかかわることになりますが、うまく運べば自分の立場上のメリットになります。自分の身の上に直接降りかかることですから力が入るのは当然でしょう。

 私が思った事として、経営者が見出している合併の意義は、実は社員に直接通じる部分が少ないということです。経営者にとっては最初の形を作る事が最も重要で、“そこ”さえ作れば後はどうにかなると考えているように見えました。でも社員にとっては“そこ”からが重要でした。
 社員はこれからの事が心配なのに、語られるのは大局的な意義と“そんなに変わらないから大丈夫”という根拠のない言葉。経営者の私利私欲の噂も漏れ聞こえてきます。前向きになれるはずもありません。
 経営者にもっと社員の視点に気づいてもらい、社員への様々な働きかけ(経過報告や情報提供、前向きな動機付けなど)に、もっともっと取り組むべきだったと改めて思っています。
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