小笠原 隆夫
オガサワラ タカオ組織防衛の第一優先
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労務トラブルを抱えている企業、また俗に言う不良社員(あくまで会社側の立場からの一方的な言い分ですが)の対応に困っている企業は多いと思います。弁護士さんのような法律の専門家に相談したり、就業規則などの社内規定を精緻に整備したり、いろいろな対策をされていることでしょう。それぞれ多大な時間、労力、お金をかけていることと思います。それでも組織防衛の観点から考えれば重要な事であるとは言えるでしょう。
私もいろいろなケースに遭遇したり、相談を受けたりしますが、その度に意を強くするのは、「組織防衛の第一優先は、やっぱり採用段階だ」ということです。
トラブルになってから振り返ってみると、多くの場合でそうなのですが、「そういえばあの時・・・」、「気にはなったんだけど・・・」と言う点が採用時に必ずあります。これは採用段階に立ち会った人たちの話を聞くと、ほぼ100%の方が多かれ少なかれ何らかの引っかかりを感じたとおっしゃっています。でもその時は入社させればすぐ仕事につけられるとか、現場で人が足りずに切迫しているのが解消できるとかの皮算用が働いて、感じた引っかかりがいつの間にか優先順位が低くなってしまっていたということです。危険は察知できていたのに活かせなかった、ということになります。
採用するかしないかの判断については「こうすれば確実」ということは無いので、とにかく採用にたずさわる人が感性を磨くしかありません。また「ただ何となく引っかかる」だけではダメで、感性を言葉にして説明し、他の人も納得させる事が必要になってきます。
採用に関わる方には是非このような能力を高めていって頂き、組織防衛の第一線を担って頂きたいなと思います。
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