小笠原 隆夫(経営コンサルタント)- コラム「「数字」を意識させることの善し悪し」 - 専門家プロファイル

小笠原 隆夫
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。

小笠原 隆夫

オガサワラ タカオ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
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「数字」を意識させることの善し悪し

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験 2009-07-06 00:00
 ある会社での人事制度作りをお手伝いした時、評価制度を検討する中で業績管理を誰がどのように行っているかという話題になり、その会社では役員クラスのみで行っていたため、なぜ権限委譲しないのかを聞いたところ、「以前プロジェクトマネージャーにプロジェクト単位の収益管理を任せたことがあるが、目先のお金のことばかりを気にして総合的に判断することができず、このままでは良い方向に進まないと感じてやめてしまった」とのお話でした。数字を意識させることがかえってマイナスに出てしまったようです。(「マネージャーのレベルの問題もあるけどね」、ともおっしゃっていましたが・・・)

 またある会社では、社員から様々な会社情報の開示を望む声が出てきていたため、業績数値などを社員に公開するように改革することとなり、それに伴って、あえて金額以外の別の指標で管理していた社員個々の営業目標も金額に置き換えることとなったのですが、その結果として各自の営業状況が具体的で明確に見えるようになり、決して厳しいノルマ扱いはしていないのですが、社員個々にとっては責任感が増して結構プレッシャーになっている様子だとの事でした。社員からすると自分たちの要望が実現した結果、自分たちも相応の責任を負わなければならなくなったということで、こちらの社長様にとっては、とりあえずよしよしという感じのようです。

 これまた全く別の話で、以前所属していた会社での新人研修の際に、私は良く研修費用の話をしていました。新人研修に要する経費は、学校を卒業したばかりの者の金銭感覚からすればかなり高額ですが、これを「みんなに将来活躍してもらうことを期待しての投資だ」と伝えると、案外インパクトを持って捉え、頑張ろうという気持ちになってくれていたようです。

 以上「数字」を意識させる善し悪しのエピソードですが、要は場面に応じた与え方、使い方なのだと思います。
 よく「ノルマ」という言い方をされるように、「数字」ばかりで人を縛り、プレッシャーをかけることはあまり好ましくないと思いますが、正しい現状把握のために「数字」を意識させることはとても重要な事です。
 そして、その「数字」を個々の動機付けの材料として適切に使っていくことができれば、それは望ましい姿なのではないかと思います。
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