小笠原 隆夫(経営コンサルタント)- コラム「「釈迦に説法」の反面教師で思ったこと」 - 専門家プロファイル

小笠原 隆夫
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小笠原 隆夫

オガサワラ タカオ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
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「釈迦に説法」の反面教師で思ったこと

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験 2022-10-05 22:34

 少し前のことになりますが、あるコンサルタントの方と話している時、たまたまその人が取り組んだという人事組織コンサルティングの話題になりました。

 

 私よりも年齢が確実に上だと思われる人で、私が人事・組織専門のコンサルタントということは知りません。たぶんどこかで「年下だから」などと見下されていたのかもしれませんが、「自分は立派な経験をしてきた」という自慢や、「人事コンサルタントはいかにあるべきか」という心構えなどを説教口調で語ります。

 

 初めは参考になることがあるかもしれないと思って話を聞いていましたが、途中から徐々に「私より知識も現場経験も少ない」ということが分かってきてしまいました。本の受け売りのような話に終始していたからです。その程度の内容のわりに、話しぶりはずいぶん偉そうでした。

 交流が続くこともないと思われる人だったので、あえて私の素性は明かさず、その場だけでやり過ごしてしまいましたが、この時に自分は絶対に同じ振る舞いをしないようにと、反面教師として強く心に留めていました。

 

 こういう場面は意外によく見かけることで、料理人相手に食べ物のうんちくを偉そうに語っていたり、どう考えてもその人よりうまいゴルファー相手に技術論を語っていたりする人がいましたが、まさに「釈迦に説法」で、相手の素性を確かめずに自分の尺度で物事を偉そうに語るのは、ずいぶんカッコ悪いことだと思います。

 

 これはある公開講座の研修でのことですが、講師の知識とスキルがその講座で求められるレベルに対してはかなり低く、また主催者も受講者のレベルを甘く見ていたのか、講座内容に対するチェックが働かず、受講者から「お金を払ったのに学びがない」などと、相当なクレームを受けたという話を聞いたことがあります。

 

 私の場合、研修はあくまでコンサルティングの一環ということが多く、受講者のレベルがわからない状態でいきなり研修をすることはまずありませんが、公開コースのような研修をやるとすれば、すべての受講者に価格相応の学びを得てもらうことが絶対条件ですから、相当に神経を使って準備をすることになるでしょう。その際には、高校生相手に小学校の授業をしてもあまり意味がないように、適切なコンテンツを提供するには、必ず相手のレベルを知らなければなりません。

 

 自分が自信を持っていることが対象の場合、注意しなければこの「釈迦に説法」の状況が起こりやすくなります。専門家と言われる人がその状態に陥るのは、一番恥ずかしいことでしょう。

 この時のことを思い出すたびに、相手の素性を知らずに物事を偉そうに語るべきでないことと、常に謙虚に学び続けなければならないということを思っています。

 

 

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