小笠原 隆夫(経営コンサルタント)- コラム「「夢がない」はいけないことか?」 - 専門家プロファイル

小笠原 隆夫
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小笠原 隆夫

オガサワラ タカオ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
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「夢がない」はいけないことか?

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験 2020-04-07 08:00

 数年前のことですが、娘が就職活動を始めようと準備をしていた時、「私って夢とかが一つもないからヤバいんだよね」などと言っていました。まだ少し時間があったので、何か切羽詰まって考えなければならないほどではありません。

 

 同じような話を、確か大学受験の頃にも言っていた記憶があります。学校の先生か誰かに、「将来の夢くらい持つべき」と言われたらしく、本人は真面目に捉えすぎて落ち込んでいたようですが、細かく話しを聞いたわけではないので、詳しい事情は分かりません。

 “夢”と“将来の目標”と混同しているようなところもありますし、周りに何かに向かって取り組んでいる友人が多くて、自分はそれが見いだせないことに焦っているのかもしれません。

 

 ただ、何か見つけなければと思い詰めるほど、“将来の夢や目標”は、必ず持っていなければいけないものなのでしょうか?

 

 私自身は、今までの自分の夢といえば、子供の頃にスポーツ選手になりたいと思っていたとか、そんなレベルのものしか思い当たることはなく、俗にいう「将来の夢や目標」にあたるようなものは、昔からほとんど持っていませんでした。それは今でも大して変わっていません。

 

 私は新卒採用をお手伝いすることがあるので、そんな中で多くの大学生から話を聞いていると、将来の目標ややりたいこと、なりたいものがはっきりしていて、それに向けた具体的な取り組みも始めている人に出会うことがあり、「しっかりしているなぁ」「すごいなぁ」と感心してしまいます。

 

 それは確かに立派で素晴らしいことですが、だからといってみんながみんな、そうである必要はありません。

 夢を具体的な目標にし、それに向かって計画的な取り組みをしていく方法はありますが、先のことが実際にどうなるかは、その時になってみなければわかりません。

 

 自分自身のことで言えば、例えば組織から独立して仕事をしているのも、今となってみればかなり昔から漠然と、しかもまったく具体性もないままで思っていたことに近いような気がします。

 断片的に思い描いてはいたけれど、それは夢でもなんでもなく、何とか実現しようと努力していたわけでもありませんでしたが、あるタイミングでそれがたまたま具体的になったという感じです。

 チャンスがあったともいえるし、自分で決めたともいえるし、そうせざるを得なかったという面もあります。

 

 私は本来の意味での“夢”を持っていない人というのは、たぶんいないと思っています。夢には実現の可能性など関係ありませんから、別に「宝くじに当たりたい」でも、「宇宙に行きたい」でも、「空を飛びたい」でも、何でもいいはずです。そんなことなら、たぶん誰でも一つや二つはあるでしょう。

 

 しかし、「夢を持て」などといってしまうと、それはもう“夢”ではなくて“目標”です。漠然と「将来の目標」などと言われても、それがある人もない人もいるでしょう。ある日突然見える人もいるでしょうし、偶然取り組んだことがきっかけで、それが夢や目標につながることもあるでしょう。

 

 “夢”というのは、漠然としていて実現性がないから“夢”であるはずです。それは人から言われて無理やり見るべきものでなく、自分の心の中から湧き出てくるものです。今は“夢”がなくても、いつか何かが見つかることがあります。

 “目標”となるともう少し具体的ですが、それも同じく、無理して見つけ出すようなものではありません。

 

 “夢”や“目標”は持てるならばそれに越したことはありませんが、他人が「夢を持て」などとお説教をするものでもありません。

 若者たちに周りの大人がやるべきことは、多くの人や物事に出会うきっかけを作ってあげることだと思います。

 

 “夢”の持ち方は人それぞれで、いま“夢”がなかったとしても、それは決してダメなことではありません。

 

 

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