小笠原 隆夫(経営コンサルタント)- コラム「人事制度は「作る過程」が大事!(後編)」 - 専門家プロファイル

小笠原 隆夫
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。

小笠原 隆夫

オガサワラ タカオ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
ユニティ・サポート 代表
Q&A回答への評価:
4.7/75件
サービス:4件
Q&A:193件
コラム:842件
写真:0件
お気軽にお問い合わせください
03-4590-2921
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。
印刷画面へ
専門家への個別相談、仕事の依頼、見積の請求などは、こちらからお気軽にお問い合わせください。
問い合わせ
専門家への取材依頼、執筆や講演の依頼などは、こちらからお問い合わせください。
取材の依頼

人事制度は「作る過程」が大事!(後編)

- good

社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験 2009-02-09 00:00
 さて、前回は私が人事制度作りについて相談を受けた中で、うまくいかなかった二つのケースを紹介しました。
 これらのケースには、実は共通点が二つあります。それは以下の通りです。

○ 実際に運用する人が検討に参加していない
 どちらのケースも、実際に運用する人は検討に参加していません。コンサルタントは人事担当者が現場状況を認識していると考えていたのかもしれませんし、制度構築担当者も自分でわかっているつもりだったのかもしれませんが、現場の人たちは自分たちが検討過程を知らないために当事者意識が湧かず、制度の意義や必要性も理解できず、制度の浸透に協力する気持ちになってくれず、結果として意図した運用ができないということになりました。
 運用するのはあくまで現場の人たちだと言う認識が薄かったように思われます。

○ 自社のレベルにそぐわない内容だった
 どちらのケースも、その当時の最新の論理を取り入れ、理想的な制度を作ろうとしていたと思われます。大手のコンサルタントは新しいものを取り入れたがる傾向がありますし、自分で作ろうと考えて一生懸命勉強するほど、“制度はこうあるべき”との意識が強くなります。しかし、オリンピック選手と同じトレーニングをしたからといって、前提となる基礎が無ければ記録は伸びないように、いくら理想的な制度を入れたからといっても、運用できなければ意味がありません。
 運用するためにはそれなりの基礎が必要ですが、それを見誤ったように思われます。現場とのコミュニケーションが少なかったことも、実情を見誤る一因だったと思われます。

 このように人事制度構築については、出来上がった制度の内容だけでなく、どのような手順、過程を経て作り上げたかという点も、成功させるにあたっては重要になります。原理原則はありますが、各社の事情(社風、組織構造、問題意識、キーマンの存在など)によって左右される点も非常に多くあります。
 作り上げる内容とともに、検討の進め方についても十分な配慮をして進めると、良い結果が得られると思います。これから人事制度改訂を考えられている企業は、ぜひ参考にして頂きたいと思います。
プロフィール評価・口コミ対応業務経歴・実績連絡先・アクセスサービスQ&Aコラム