小笠原 隆夫(経営コンサルタント)- コラム「「希望通りの研修」で本当に効果が上がるのか?」 - 専門家プロファイル

小笠原 隆夫
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小笠原 隆夫

オガサワラ タカオ
( 東京都 / 経営コンサルタント )
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「希望通りの研修」で本当に効果が上がるのか?

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験 2018-01-30 08:00

 年が明けてもう2月ともなると、4月から新入社員を受け入れる多くの企業では、新人研修の準備が始まります。新人研修に限らず、企業ではそれ以外にも様々な研修が実施されると思いますが、その効果が思い通りに上がっているかというと、なかなかそうはいかないことが多いのではないでしょうか。

 

 私もいろいろな企業の研修を、受講者、企画担当、講師など、様々な立場で長らくかかわってきましたが、そんな経験から思う研修効果を上げる方法はたった一つだけで、「本人が学びたいと思うものを学ばせる」ということです。

 

 これは、以前に私自身がある外部研修に、自分の意志で、自分の休日を使い、なおかつ費用も自己負担で受講した時に、はっきりと思ったことです。

 その研修では、他の受講者も私と同じく自分の意志と費用負担で参加している人たちばかりで、そのためか私がいろいろな経験してきた研修のどれよりも受講者が熱心でした。やはりそういうものかと確信してしまったということです。

 

 「学びたいものを学ばせること」が効果的なのは当たり前のことですし、多くの企業で研修を企画している人たちも、当然それなりに意識しています。

 

 研修を企画している担当者の中には、社内研修で「学びたいもの」「必要な知識やスキル」が何かを現場に問い合わせたり、希望を出してもらったりする人がいます。

 また、研修カリキュラムをカフェテリア方式で本人に選ばせたりする方法も、「自分の意志で学ぶ」という形をとって研修効果を高めたいということでは同じ主旨でしょう。

 

 しかし、ここで研修内容の希望を聞いたり本人に選ばせたりすることで、研修効果がそれまでより大きく向上するかといえば、現実にはそれほどではありません。

 

 以前あるIT企業で、現場に研修内容の希望を聞いたところ、「プログラミング言語研修」などと言ってきたことがありました。会社としては「そんなものは必要な人が自分で学ぶべきもの」と思っていますが、社員たちが「それを学びたい」と言うこと自体は否定のしようがありません。ただ、希望を聞いたのにそれが通らないとなると、かえって不満につながったりします。

 

 また、部門長やマネージャーなどに尋ねると、「マネジメント」や「マインド」や「リーダーシップ」などと言われますが、これはあくまで“上司がやらせたいこと”で、受講者本人たちの希望ではありません。上司は意外に自分のことを棚に上げていたりしますので、それを見ている部下たちは「上司の研修の方が先ではないか」などと不満を持ったりします。

 

 さらに「カフェテリア方式の研修」も、ある選択肢の中から選ばせていること自体が「学びたいもの」からはズレますし、一定の受講義務が課されることも多いですから、これも「自分の意志で」という形にはなかなかなりません。

 

 私は、何とか「自分の意志で学ぶ」という形を取ろうとする取り組み自体を否定はしませんが、会社がおこなう研修は、どんな形をとったとしても結局は強制です。

 社内研修には、学校でいう必修科目のように、知識、スキル、マインドとして、「社員であれば最低限身につけていなければならない」というものが必ずあります。それは興味があろうとなかろうと、本人の意志とは関係がありません。

 

 選択科目で希望を聞くことは良いですが、必修科目は本人に意志に関わらず、必ずやらせなければならないですし、身につけてもらわなければなりません。強制であっても一定の効果を得なければなりません。

 

 最近は、「本人が学びたいもの」を重視しすぎて、社内研修での必修科目と選択科目の区別があいまいになっているところが多々あります。

 そのメリハリについては、あらためて考える必要があるのではないかと思います。

 

 

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