上津原 章
ウエツハラ アキラグループ
素直に喜べない円安・株高・物価上昇
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3月29日の日経平均株価の終値は、
28,252円42銭。3週間前(24,790円95銭)に比べて14.0%の値上がりになっています。米ドル相場は123円51銭(3月29日17時10分現在)となっており、3月8日終値の115円66銭と比べ、6.8%の円安になっています。円安の影響を除いた日経平均株価の値上がり率は、6.7%に過ぎません。
消費者物価指数はどうでしょうか。
2020年を100とした場合、今年2月の値は100.7。前年同月比で0.9%の上昇となっています。なお、生鮮食料及びエネルギーを除いた数値の上昇率はマイナス1.0%。原油や天然ガス等のエネルギー価格の高騰を除いて考えると、日本経済は停滞したままといえます。
つまり、株価が上がるのはぬか喜びのようなものです。
お金を上手にふやそうと頑張っている方には恩恵があるのですが、預貯金だけでお金をふやしている方にとっては、不景気の中の物価上昇だけがのしかかります。
日本は物価が上がらないから
住みやすい場所だといわれます。確かにその通りです。今は、安い値段で食べ放題ができますが、これからは日本以外の豊かになった国が、今まで私たちが食べていたものを高値で落札するようになり、これまでのように安い値段で食べられなくなる食品が増えるでしょう。
数年前のカナダ旅行で、エッグベネディクト中心の簡単な朝食で2500円かかりました。日本も外食しようとすると、そのぐらいの金額を支払わなければ食べられないという日が来るかもしれません。
※写真は、ANAインターコンチネンタル東京の朝食ビュッフェで食べられるエッグベネディクト。これからも腹いっぱい食べられる私たちでありたいですね。
資産運用をする理由は、
今の好ましい生活水準を将来にわたって維持するためです。一時的に儲かったら終わりではありません。これからも円安・株高が続くかどうかはわかりませんが、もし長続きするのであれば、私たちの暮らしも円安・株高の状態に合わせる必要がありそうです。
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当マネークリニックでは、まず、お客さまにとって「ここぞという時」がいつなのかを一緒に確認することから始めます。それが、「お子様の誕生」「マイホーム購入」など人生におけるイベントを書き出した「ライフイベント表」の作成です。また、そうすることで見えてくるのが、その人が、暮らしの中で大切にしている価値観です。価値観を再確認することで、お金の使い方・ふやし方もおのずと決まってきます。