対象:労働問題・仕事の法律
この春大学を卒業した妹の話になるのですが、宜しくお願いいたします。
この春卒業した妹は昨年夏前に福岡の事業所採用で内定が決まり、秋からの不況で名古屋での研修が福岡での研修となることとが通知され、あわせて両親宛に「内定取り消しはありませんので心配しないで下さい」との文書が届いていました。
が、今年の3月19日に内定先の会社から呼び出しがあり、4月
1日に入社式を行うが、その後半年間の自宅待機が命じられました。
その間の給与は規定の6割支給とのことです。
また、半年後についても自宅待機が延長になるのか、延長だとするといつまで延長になるのか、その後の採用が確保されるかは不明とのことです。
妹はこの自宅待機の間に就職活動を考えていますが、既に卒業が決まっており、卒業式も目前に迫っていたので大学を卒業してしまったため、今後既卒、第二新卒での就職活動となります。
が、もちろん自宅待機ですので何の実務も実績もありません。
内定取り消しであれば大学側との交渉で卒業そのものの延期なども検討できたのですが、それが可能な時期が過ぎた後の通知でした。
妹の内定先の会社は今年度、東京と地方合わせて30人ほどの新卒採用をしており、そのうち東京採用については研修から実務と普通どおり進むことになっています。
今回お聞きしたいのは、妹に対する自宅待機命令が法的に正しいものであるのか、またその際の給与6割支給という額は正当であるのかという点です。
また、今後いつになれば仕事に入れるかわからないと言うこともあり妹は新たに就職先を探す予定ですが、退職する場合会社都合での退職扱いは可能でしょうか。
出来れば今のうちに文書で退職する際は会社都合とするように一筆いただきたいと考えているのですが。
宜しくお願いいたします。
子育て中の姉さん ( 福岡県 / 女性 / 29歳 )
回答:1件
自宅待機に関して
この場合の自宅待機とは、要するに「会社都合での休業」ということになります。
まず自宅待機の正当性ですが、これは一種の労働条件の不利益変更になり、客観的で合理的な理由が必要で、原則として労働者個別の同意も必要になります。
合理性の有無は、労働者が被る不利益の程度、変更の必要性とその内容や程度、代償措置その他関連する他の労働条件、同種事項の一般的状況などを総合判断する事になっています。
会社の経営状況、他の社員に減給や休業があるのか、その他によって正当性の判断は異なると思われますが、ご質問では地方採用の新入社員だけ自宅待機となっており、暗に退職を望む様子もありますので、異議を申し立てられる要素はあると思います。
給与6割支給については、労基法上の規定で、休業手当として賃金の60%を支払わなければならない事になっており、労基法上は適法な扱いです。ただ休業の正当性と絡んで労働契約違反として扱われるケースもあるようで、この場合は100%支給が必要とされる判例があるようです。
退職する場合は 採用条件と実際の労働条件に大きな違いがあった場合、例えば賃金については、それまでの85%未満に低下した場合は会社都合になり得ます。最終的な判断は離職票の記載内容を元にハローワークが行いますので、会社に一筆もらう事にはあまり拘らなくて良いと思います。
ただ、新入社員ということなので、雇用保険の被保険者期間(最低でも6ヶ月)が足りず、今の段階では失業保険の給付対象にならないと思います。
自宅待機自体の異議ということならば、まず労基署などに相談して見てはいかがでしょうか。
また就職活動については、会社から休業手当が出ている間は、それをもらいながら行うことが当面は良いのではないかと思います。既卒や第二新卒でも、今回の事情に配慮してくれる会社は必ずあると思います。
良い会社とご縁があるようにお祈りします。
評価・お礼
子育て中の姉さん
素早い解答ありがとうございました。
ぼんやりと知りたいと思っていたことが回答いただけ大変助かりました。
「自宅待機自体の異議」については両親、妹にも話をして検討したいと思います。
会社の都合もわからなくはないのですが、泣き寝入りにならぬようにして行きたいと思います。
ありがとうございました。
回答専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。
小笠原 隆夫が提供する商品・サービス
【無料】250名以下の企業限定:社員ヒアリングによる組織診断
中小法人限定で当事者には気づきづらい組織課題を社員ヒアリングで診断。自社の組織改善に活かして下さい。
当事者では気づきづらい組織風土の問題をアドバイス。同テーマ商品の対面相談版です。
(現在のポイント:-pt)
このQ&Aに類似したQ&A
表示中のコンテンツに関連する専門家サービスランキング