対象:リフォーム・増改築
回答:1件
吉田 武志
建築家
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通気胴縁下に防虫網を付けなかったのだと思います。
他社にて外壁カバー工法でリフォームしたお宅があり、経年変化してカバーしたサイディングが一部はらんできた(一部変形して剥がれてきた)ので、調査した経験があります。ちなみに、はらんでくることはよくあることのようで、外壁カバー工法の材料を提供したメーカーに補修マニュアルがありました。そのお宅は、下から覗くと隙間から、既存外壁も見えましたから、質問者のお宅と同じ状態です。
隙間を確保するのは通気工法といい、既存外壁の上に、胴縁という幅45ミリ、厚さ15~18ミリの木材を、外壁材の方向とは逆に打ち付けてから、その胴縁に外壁材を留めます。この胴縁の厚さが通気層になります。
通気工法にする理由は、建物の壁の中を乾燥させ、建物の耐久性を高めるためです。通気層は、壁の中の水分を放出させると共に、万一外壁内部に雨水が入った場合の排出路にもなります。
これは新築の外壁下地でも一緒で、通常は通気工法とします。新築の場合は近年、通気胴縁下に防虫網を設けて、胴縁隙間へ虫が入るのを防いでいますが、防虫網をやっていない新築のお宅もあると思います。
ですから、外壁のカバー工法で防虫網が付いていないのは、変わったことではないと思います。防虫網が一般的になってきたのは最近です。虫に通気層に入られた経験を持つ設計者や施工者は防虫網を付けますが、経験がないと付けないかもしれません。既存外壁の上に、カバー工法で外壁を貼っているわけですから、カバー工法外壁の下に虫が入ったからと言って、通常は室内には虫は入って来ません。
私は、通気層に蜂に入られた経験があり、防虫網を付けています。写真の縦に入っている細い木材が通気層です。防虫網は、「防虫網、通気層」で検索すると出てきます。
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