遺産相続の土地評価および費用負担について

京都の行政書士・１級ファイナンシャル・プランニング技能士の新谷がお答え致します。

３者それぞれ土地の評価方法が違うようですね。

相続税の申告の際には路線価で評価しますが、不動産のような市場流通に時間のかかる財産は市場価格の８割ほどの価額で相続税時に申告します。

以前尋ねられた時の不動産屋さんの価額は市場での一般的な売却価格で算定しているので、その時点では間違いではありません。

さて、長男さんの１８００万円(さらに更地費用４００万円控除)の評価ですが、おそらく借地権割合(土地の上に他人の家屋が建っている場合の評価割合)を控除して算出していると思いますので(更地費用の控除は別として)甘めにみれば大外れしている評価方法でもなさそうですね。

今回、代償分割すれば土地所有者と家屋の所有者が一体となるので、今後の財産価値や手間を考えれば間をとって路線価ぐらいで算定するのが公平そうにも思えますが。

他の専門家さんの意見も参考にトラブルのない相続となることを願っています。

行政書士しんたに法務事務所

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ファイナンシャル・プランナー、不動産コンサルティングマスターの平井です。

金融資産と異なって、不動産の評価はそれぞれ立場が違うと考え方も異なりますので、最初に一つの価格で全員が納得することは確かに難しいですね。

土地の評価には、相続税評価額（路線価）、固定資産税評価額、地価公示価格、基準地価がありますが、一般的には相続税評価額は実勢価格の約８０％と言われています。実際の土地の形状等により異なりますが、こう考えると、相談者の知り合いの不動産業者に相談された３０００万円～３４００万円程度という数字は、実際に売却できた数字ではありませんので、代償分割の話し合いの金額として考えると少し高いかもしれませんね。実際に更地として取引するには、建物が建っている場合は建物の取り壊し費用等が必要になりますし、あと、売却したと仮定した場合の税金についても一応考えてみることも大切です。

不動産というのは査定した時期や建物の有無、権利関係によって、不動産の価格も異なりますので、長男の方がお話しされている１８００万円は、いつの時点で、どのような内容で依頼されたのかを確認してみるのも、お互いに納得する上で大切なことかと思います。（土地が所有権であれば、仕入れ値といっても、少し差が大きいと思われますので…）

ただ、現在その土地の上に長男の方が新しく家を建てられていますので、そういった状況を理解して、土地以外の財産も含めて関係者の皆さんが納得したうえで、代償分割の金額を決めて、遺産分割を行うことが大切です。

土地の評価をはっきりさせることは確かに大切なことですが、本当に大切なのは、亡くなられたお父さんの思いを相続人が理解して、お母さん、ご兄妹が仲良く相続手続きを終えることだと思います。円満な遺産分割ができることを願っております。

エフピーコンパス
代表 平井 寛
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