対象:ペットの医療・健康
キャバリア メス 10才半に関して質問させていただきます。
咳の回数が増え、苦しそうに呼吸をするようになり、かかりつけ医を受診したところ、
レントゲンの結果から心臓肥大および肺水腫と診断されました。
利尿剤を注射され、その後は処方された利尿剤と強心剤を服用し落ち着いています。
今後の診療について、状態確認のため定期的にレントゲン撮影を実施するのか?尋ねたところ、
肺水腫は急激に水が溜まるので、レントゲン撮影で問題がなかった場合でも安心材料にならない。
と言われました。
そこで、肺水腫では急激に水が溜まることがあるので、レントゲンで状態を確認し、
酷くなるのを防ぐことは難しいのでしょうか?
ご回答宜しくお願いいたします。
アン吉さん
(
京都府 / 男性 / 37歳 )
回答:2件
犬の肺水腫について
はじめましてアレス動物医療センターの沖田と申します。
実際は診てみないとなんともとは思うのですが、文面からの想像で書かせていただきます。
参考程度にお考えください。
確かに主治医の先生のおっしゃるとおり、肺水腫はいつ起きるかわからないので、頻繁にレントゲンをとっても、ワンちゃんにとってストレスを与えるだけで(横向きにされたり、仰向けで抑えられたり)、それ自身が肺水腫の予防にはならないかもしれません。
極論レントゲン上肺がなんともなかった2,3日後に肺水腫になることもありうるわけで、月1回レントゲンを撮っていて、それを予見できるかというと、おそらく難しいと思います。
定期的にレントゲンで心肥大の経過を見るという意味はあるかとは思いますが、現在の心臓の状態で、すでに肺水腫になりうるところまで進行しているということですから、今後いつでも肺水腫は起こりうると思いますので、それを想定した内服薬で戦っていき、状態の悪化に合わせて薬を増量(あるいは追加)していくことになるのではないでしょうか。
はじめから強い薬を、全部混合で、というと薬の副作用も心配ですので、肺水腫が心配だからと、ただ大量に薬を使うわけにも行かないと思います。
定期健診を繰り返し、聴診や呼吸回数でその都度薬の内容を検討していくのが良いと思われます。
一度に大量の水を飲むなどをきっかけに一気に肺水腫に至ることもあるので、飲水過剰に注意を払う必要があるかもしれませんが、かと言って水の量を制限するのもリスクを伴います。
しいて言うのであれば、過剰な飲水が必要なシチュエーション、暖かすぎる環境や過度の運動を避けるというところでしょうか。
定期的なレントゲンの是非はその子の性格(レントゲンにどの程度負担を感じる子か)、全身状態により様々ですので、その頻度、あるいはレントゲンを撮るべきかどうかは主治医の先生と十分話し合われる必要があります。
当院の患者さんでも、レントゲンを撮るとき過剰に呼吸が激しくなり、興奮状態になる子などは、極力レントゲンを撮らないというケースもあります(診断上撮りたくとも)。
補足
ちなみに肺水腫の時は通常呼吸回数が多くなります。
毎日ワンちゃんが寝ている時に1分間に何回呼吸をしているか数え(30秒でも良いですが)、これが増加してきた時には主治医の先生に連絡を入れるなどの自宅でのチェックも有効かと思います。
これだけを目安にするのは危険かもしれませんが、自宅での指標にすると良いかもしれません。
評価・お礼

アン吉さん
2013/02/16 16:42沖田 将人先生
的確なご回答を早々にいただき有難うございます。
水分の過剰摂取および不足に気を付けるようにとのことですが、
体重から適切な水分摂取量を計算することはできないのでしょうか?
度々申し訳ございませんが、ご回答いただけましたら幸甚です。
宜しくお願いいたします。
回答専門家

- 沖田 将人
- (富山県 / 獣医)
- アレス動物医療センター センター長
地域に密着したワンランク上のホームドクターを
アレス(Alles)とはドイツ語で「あらゆること」を意味します。インフォームドコンセントの充実、年中無休、CTスキャナ導入など動物たちの幸せにつながることなら、飼い主様のあらゆる要望にお応えしたい。そんな願いを込めて診療に取り組んでいます。

Re:犬の肺水腫について
心疾患により起こる肺水腫は、おっしゃられるように急激に起こることが多いです。
前日にはレントゲン上でも全く問題がなくても翌日には重度の肺水腫になっている場合もあります。
レントゲン検査は撮影した瞬間にどの程度の肺水腫があるのかということを知るためには有用ですが、今後の予測などは難しく予防のための検査にはなり得ません。
心疾患による肺水腫という診断ということですので、強心剤や利尿剤、血管拡張薬などを使用し肺水腫を起こりにくくする、悪化要因となる急激な運動や興奮、トリミングやシャンプー、肥満、塩分の多い食事などを避けることが肺水腫を起こさないための基本になります。
ただし、心疾患は基本的には進行性の病期ですので、だんだんと維持していくことが難しくなっていきます。現在は限られた施設ではありますが開心術で心臓の弁自体を修復することにより、長期的な生存を期待できる場合もあります。
評価・お礼

アン吉さん
2013/02/19 22:25●●先生
ご回答ありがとうございます。
処方されている利尿剤、強心剤、ACE阻害薬をきちんと服用し、
食生活にも注意を払い、少しでも長く安定した状態を維持できるよう、
気を付けていきたいと思います。
(現在のポイント:-pt)
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