対象:ペットの医療・健康
昨日13歳のミニチュアシュナウザーが急に呼吸を乱し倒れました。診断は僧帽弁閉鎖不全症です。同じ境遇を経験された方、治療に付いてあらゆる選択肢を教えて下さい。(外科的な事も含めて費用は問いません。)
≪追記≫
今朝また軽い失神があったので別の病院にてセカンドオピニオンを受け、更に詳しい分析をして頂きました。
状況としては6ステージの内4~5程度で、バソトップと血管拡張薬に加え、本日肺水腫にと利尿剤とニトロを処方され、今後は心臓病の食事で粛々と延命治療を続けていくしかないと言われました。
また最後の選択肢として大阪にあるVRセンターでの人工心肺による手術もあると教えて頂いたのですがまだまだ症例が少なく、ウチの犬が手術に加え大阪までの往復に耐えられるかとの意見を頂きました。
13歳と言う高齢犬ゆえあらゆる事情につていては納得はしているつもりなのですが同じ何ヶ月かの命でも今の自分に出来る最大の事をしてあげたいと思っています。
タケ009さん ( 福岡県 / 男性 / 44歳 )
回答:2件
犬の心不全について
はじめまして、アレス動物医療センターの沖田と申します。
さて、相談内容を拝見したのですが、治療内容としては、非常に的確な治療と思われ、外科手術とそのリスクに関する説明を含め、特に付け加えるべきことがありません。
非常に熱心な主治医の先生が対応されているのだと思います。
確かに厳しい病気であり、完治はできないかもしれませんが、少しでも進行を遅らせ、少しでも快適な期間を作ってあげることは大きな意味があると思います。
治療薬として特に付け加えるべきこともないと思いましたので、日常生活での注意点をいくつか書かせていただきます。
心不全が悪化、あるいは急変する要因として次のことが挙げられます。
1.肥満
2.偏った食生活(たとえば塩分過剰、たんぱく質過剰)
3.過度の運動
4.過度の飲水
5.歯石の増加
人間の心不全と似たところはあるかと思いますが、適切な食事(おそらく主治医の先生が指導されていると思いますが)で、ベスト体重をキープするだけで、かなり進行は緩やかになると思います。
また、これは書くまでもないでしょうが、あまり過剰の運動は避けるべきです。
ただ、ケージに閉じ込めて寿命だけを延ばすというのが、必ずしも幸せとは限らないわけで、ゆっくりと時間をある程度制限しての散歩などはよいと思います(どれくらいの時間が適切かは、状態によりますので、主治医の先生にご相談ください)。
また、一度のかなりの量の水分を摂取すると、肺水腫で命を落としかねないので、あまり水分を過剰に取らなくてもよい生活を目指すとよいかもしれません。
具体的には暖かすぎる環境に置かない、味の濃いおやつなどを与えない、太らせない、過剰の運動をしない(これは先の内容とつながりますが)といったところです。
あと、近年心不全と歯石(それに伴う歯肉炎)との関連が報告されております。
ドライフードしか食べない子はあまり歯石がつかないのですが、やわらかいフードやおやつを食べていると非常に歯石がつきやすいので、一見心臓とあまり関係ないように思われますが、こちらも気を配られるとよいかもしれません。
あまりお役にたてるようなアドバイスではないですが、何かできることがあれば、実施してみてはいかがでしょうか。
評価・お礼
タケ009さん
2012/03/01 02:03拝啓、心の温まるご回答をして頂きましてありがとうございます。
本日サードオピニオンを受け、心拍数は早いけど安定している事、心臓弁のしまりが悪るく血液が逆流している事、肺に水はまだ溜まって無い事を説明され、今すぐ深刻な事態にはならないものの、失神が寝てる間に多い事を告げると新たに「アピナック12.5mg」「ノイダブル」を処方されました。これに加えて熊本で開業されている先生の漢方を併用して頑張ろうと思っています。外科的な方法は成功例も少なくまずは投薬治療から始めるしかなさそうですね。。。歯石は高齢の為病院から麻酔を拒否されますがどうしたらいいでしょうか?
回答専門家
- 沖田 将人
- (富山県 / 獣医)
- アレス動物医療センター センター長
地域に密着したワンランク上のホームドクターを
アレス(Alles)とはドイツ語で「あらゆること」を意味します。インフォームドコンセントの充実、年中無休、CTスキャナ導入など動物たちの幸せにつながることなら、飼い主様のあらゆる要望にお応えしたい。そんな願いを込めて診療に取り組んでいます。
Re:犬の僧帽弁閉鎖不全症について質問です。
僧帽弁閉鎖不全症の原因は明確ではないですが、加齢や遺伝性要因による弁の変性が原因として考えられています。
僧帽弁は心臓の左側に位置し、この弁の閉鎖不全により左心室から大動脈への拍出量減少と左心房への逆流が起こります。この結果、大動脈への拍出量が減ると末梢血液量は減少し血管の収縮や肺静脈のうっ滞を起こし、高血圧や肺水腫も引き起こします。さらに重度になってくると心臓の収縮力の低下も招きます。これらの循環不全を是正する為に治療が行われます。
これらの病態を治療する上で、必要なのが心臓の状態と全身状態の把握です。この為にはレントゲン検査、超音波検査、血圧測定、心電図検査、血液検査、尿検査があげられます。
これら検査を行うことで、今何が治療に必要なのかを決定していきます。全体のバランスを見ながら、治療を進めることが大切です。内科的治療は心不全の症状を軽減させることであり、病期を分類することで使用する薬も異なります。内科的な治療が功を奏せば症状が劇的に改善する場合もあります。詳しい分析を行っているのであれば、お力添えできることもあるかと思いますのでご連絡下さい。
僧帽弁閉鎖不全症の手術は成功すれば心筋への負担の軽減や呼吸状態の改善、投薬量の減少など多くの利点があります。しかしながら、リスクも比較的高い治療法です。以前に比べ成功率は高くなっていますが、心臓の状態や全身状態により成功率は異なります。様々な報告がありますが、成功率は50-90%に至るまで様々です。
これらの治療を選択する場合、内科的にコントロールが可能な状態なのか、リスクを含め外科的な治療が最善なのか、よく検討する必要があります。何れにしてもまずは、内科的な治療において状態を安定させることが最優先されます。
また自宅で管理される注意点は運動や過度の興奮をさせないようにすることの大切です。呼吸状態が安定しない場合、高濃度の酸素を吸入する為の酸素室などが必要な場合もあります。
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