対象:新築工事・施工
障害のある子供を持つ家族です。産まれてから一生涯、身体と知的共に重度の障害と向き合って行く状態です。
暮らしやすい場所を求めて家を新築しようかとの方向になりました。
一番には「介護のし易い家」を考え、自分たちなりの要望はあります。
悩んでいるのは、家を建ててくれるところが沢山ありすぎるということです。
ハウスメーカー。工務店(有名どころから地元まで)。建築事務所。。。
勿論、それぞれ当たってみて合うところ…ということにはなると思うのですが、入口としてどういうアプローチで行くのが良いのでしょうか?!
住宅展示場には何回か行ったことがありますし、障害児者&高齢者の為の建築・リフォーム講座にも行っています。
kuro-kokoroさん ( 福岡県 / 女性 / 41歳 )
回答:4件
障害に対する専門知識
はじめまして やすらぎ介護福祉設計 斉藤と申します。
障害をお持ちの方の住宅といっても、障害の種類によって仕様が様々に異なります。
症状が固定か進行性なのかによっても、室内環境をあわせて変化する必要も出てまいりますので、福祉施策や障害に対する知識も併せ持った設計者でなければ、竣工時で関係性が終わってしまいがちです。
「介護のし易い家」というご要望から、お子様への愛情が強く感じられます(^^)
子どものうちはご両親による介護で済む部分もありますが、成長するにつれ外部サービスを在宅で受け入れることも必要になります。
外部の方が介護されるゾーンとkuro-kokoroさん家のプライベートゾーンを分けることにより、家中をうろうろされるストレスから解法できますので、既存プランニングの多い一般的なハウスメーカーには難しいと思います。
高気密・高断熱やバリアフリーは当然として、戸建て新築ですのでお子さんが家で伸び伸びご成長できる環境づくりやお友達も遊びに来てくれる明るい家づくりが重要なポイントになりますねv
社会福祉士としてアドバイスさせていただくと、中途障害を持たれたかたに対し、障害を生まれたときからお持ちのお子さんは、前向きに人生を送られるかたが多いので、出来ないことより出来ることに目をむけ、ご本人の特性を最大限に活かせるサポートをご両親はされると素晴らしいですね。
その一つが生活環境づくりですので、お困りのことがありましたらお気軽にご相談ください。
ネット上では個人情報になりますので、障害の詳細など書けない歯がゆさ お察し致します。
評価・お礼

kuro-kokoroさん
2012/09/19 12:20丁寧なご回答、ありがとうございました。
社会福祉士でいらっしゃるということ、我が家にとって身近で頼りにしている職種であります。
そういう視点からのアドバイス、とても参考になりました!
実際に今、ヘルパーさんに入浴介助でお世話になっております。
現状は賃貸なので、まさに家族とヘルパーさんが一つの空間に入り乱れています(笑)
なるほど、そういう状態も自然に分けられるようになれば良いですよね。
また、障害のある子の介護という視点だけではなく、お友達も気軽に遊びに来てくれる家…ハッとさせられました。
重度重複障害児なので、勿論これからも少しずつ出来ることが増えていくと確信しておりますが、健常の方よりは早く退化のカーブに入っていくでしょうから、そうなった時にも慌てない環境作り、ということなんだなーと思い知りました。
真摯なアドバイス、ありがとうございます。
また、質問させていただくこともあるかもしれません。その際は、よろしくお願い致します。
回答専門家

- 齋藤 進一
- (埼玉県 / 建築家)
- やすらぎ介護福祉設計 代表
子育て住宅から高齢者・障がい・車椅子住宅までやすらぎの空間を
医者に外科・内科等があるように、建築士に介護福祉専門家がいてもいいと思いませんか?人生100年時代を迎えた今、子育て住宅から高齢者・障がい・車椅子住宅など終の棲家まで、ライフステージを考えた安心して暮らせる機能的な住まいを一緒に創りましょう

竹中健次
建築家
5
身障者の家
お気持ちお察しします。
友人にも親戚や友人にも同じ悩みの方がいます。
程度の問題が有ります。
ハウスメーカーや工務店には形だけの設計部がありますが,利益追求のシステムであります。
また,設計部のレベルもかなり低い物です。
今回のようなケースの場合には,ハウスメーカーや工務店の設計部では手に負えず,下請け専門の設計事務所に出すと考えられます。下請け専門の設計事務所と言いますと当然ハウスメーカーや工務店の利益を出すために仕事をされていますし。設計者のランク的にもかなり低い物です。福岡ですと都市も大きいので探すのは大変でしょうが,逆に優秀な方も多いと思います。
クライアントの立場に立って,プランや材料選びのきちんと出来る設計事務所を探すのが良いと考えます。大きなところで数をこなす事務所ではなく、小さくてもきちんとクライアントの要望を聞き入れてくれる事務所があれば一番お勧めです。
言いにくいことを言わせていただきますが,お子さんは両親よりも長生きします。
そのあたりも十分にプランに反映された方がいいと思います。
http://www.k-takenaka.com
評価・お礼

kuro-kokoroさん
2012/09/18 14:03早速で心のこもったお返事、ありがとうございました。
読ませていただき、心にしみるものがあり、一人ジーンとしております。
《クライアントの立場に立って,プランや材料選びのきちんと出来る設計事務所を探す》、よくわかりました。
実際、私どもの要望を考えれば考えるほど、既存のハウスメーカーでは…と思っておりました。
アドバイスをいただき、設計と施工を分離するという選択肢にも気付かされました。
でも、設計と施工が一体で出来れば、一番ですよね。
頂いたアドバイスを頭に、これからも探していこうと思っております。
ありがとうございました。

森 賢一
建築プロデューサー
2
経験豊富で優秀な建築家との家ずくりをお勧めします。
身体と伴に知的障害をお持ちのお子様との生活を選択された覚悟に感銘を覚えます。
ご相談には、ズバリ建築家に相談されることをお勧めします。
理由は単純明快、優秀な建築家は常に建築と社会と生活環境について研究していることと、
施工から利益を上げる必要が無いからです。
お子様の成育過程には想像をはるかに超える生活バリアーが存在することでしょう。あらゆるバリアーを想定して確認し、フリーに近ずけるためには相当の設計期間と洞察力、知識、経験を持つ建築家が不可欠と考えます。
通常、戸建住宅でも半年ほどの設計期間を必要としますが、貴方様の場合にはバリアーの想定量が多いと考えられますので、更に長く必要であろうと思われます。
このような設計作業はハウスメーカーや工務店にはできず、直接依頼による建築家にしか対応できません。また、その能力も然りです。
お子様とご家族の生活バリアーを想定できる可能な限りフリーにし、安心安全で豊かな生活空間を得ていただくことを祈念いたします。
補足
小生は、JIA(日本建築家協会)の建築家を皆様に紹介し、建築家と施工業者に技術支援をしてより良い家ずくりを演出する仕事をしているJIA会員です。
評価・お礼

kuro-kokoroさん
2012/09/18 14:11早速のお返事、また心温まるお言葉が心にしみました。
森様のアドバイスも読ませて頂き、改めて我が家にとって家づくりには考えることが多いことに気付かされております。
我が家の要望を考えていけば考えていく程に、一般的なハウスメーカーでは難しいのかなあ~とは薄々思っておりました。
その延長上で、障害児者の家づくりを専門にしている建設会社さんのセミナーなどに参加していた次第です。
皆様のアドバイスを見て、設計と施工を分離して考えてもいいんだ!と新たな気づきがありました。(勿論、一体が良いんでしょうけど)
また、バリアフリーの観点だけではなく、個人的には高断熱・高気密にも配慮できたらいいな~とも思っています。
障害のある我が子にとって暮らし良い家は、年をとっていく私たち親にとっても暮らしやすい家でしょうから、最初くらいは色々欲張ってもイイですよね。
アドバイス、ありがとうございました!

森 賢一
2012/09/19 18:55評価いただきありがとうございます。
土地をお求めになるかと思いますが、実は今、私の知り合いが福岡市南区大池1丁目で110坪の土地をほしがってい居ます。でも、面積が広すぎて金銭上の問題を生じています。半分の面積で十分に住宅はできますので、もしもお気持ちが向きましたら一緒に購入されませんか?もちろん私に対して手数料等は必要ありませんし、仕事の依頼も必要ありません。
その気がございましたらご案内いたしますのでご連絡をお願いします。
また、設計施工一体が分離方式よりも優れているとお考えのようですが、もう少し勉強されて結論を出されたらいかがでしょうか。
土地の件は福岡市に居住の方でなかったらスミマセン。

菊池 克弘
建築家
2
介護のし易い住宅について
はじめまして。
胸中、お察しいたします。
ご質問に対し、以下のように回答いたします。
障害のある子供を持つ家族です。産まれてから一生涯、身体と知的共に重度の障害と向き合って行く状態です。
このことから、車いす、その他介護の設備も必要になると思われます。家の中のバリアフリー、高低差のスロープでの処理(勾配1/20以下)、ホームエレベーターの設置、廊下の幅等々、検討しなければならない事項が膨大になります。それに伴い、構造方式の選択(木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造)、さらには建築コストの検討等、難問はつきないこととなることでしょう。
悩んでいるのは、家を建ててくれるところが沢山ありすぎるということです。ハウスメーカー。工務店(有名どころから地元まで)。建築事務所。。。勿論、それぞれ当たってみて合うところ…ということにはなると思うのですが、入口としてどういうアプローチで行くのが良いのでしょうか?
まず、大手のハウスメーカー及び工務店には、これらの特殊な条件をクリアできる設計者(建築家)は皆無でしょうね。それは、これらの会社は、建物を商品化し、その商品を売るための「はめ込み」をしているに過ぎないからです。特殊な単品生産には向きません。特殊な条件の建物(作品)を創造するには、建築家プラス工事業者というスタイルが一番よろしいかと思われます。
住宅展示場には何回か行ったことがありますし、障害児者&高齢者の為の建築・リフォーム講座にも行っています。
住宅展示場ではあまり有益な情報は得られなかったものと推測できます。リフォームのほうは、付け焼き刀くらいの情報は得られたのではないでしょうか。
建築方式については、私のコラム、「マイホームの建築方式」
http://profile.allabout.co.jp/w/c-83593/
をご覧になってください。
また、以下の書籍も参考にされることをお勧めしておきます。
オープン・コスト・ハウス 椎野潤(元早稲田大学教授)著 メディアポート社
当該書籍には、コスト管理は勿論のこと、ハウスメーカー、工務店、建築家プラス工事業者の建築方式についての解説もされています。
尚、弊社におきましても、設計及び施工(設計のみでも可)まで、対応可能です。
以下、参考にしてください。
http://profile.allabout.co.jp/pf/katsuhiro-kikuchi/
評価・お礼

kuro-kokoroさん
2012/09/18 16:59早速のお返事、ありがとうございました。
また、一つ一つ丁寧にお答え頂いた上に書籍やコラムのご紹介も頂き、感謝申し上げます。
やはり、バリアフリーの家というものは、一概に建てられるものではないんですね。
それは私どもも薄々感じておりました。
ハウスメーカーでもバリアフリーの家はある。
けれども、通り一遍のバリアフリーに我が家を当て込まれると、バリアフリーで作ったのに結果あんまり使い勝手が良くなかった…にも成りかねませんもんね。
一生ものの借金を背負って買う買い物《家》。
ベストは難しくても、ベターな家を建てたいです!
アドバイスありがとうございました。
書籍の方も、読みたいと思います。
(現在のポイント:-pt)
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