対象:遺産相続
5年前に父親が亡くなり、今現在までに兄弟3人で父が残した賃貸マンション3棟を管理運営しております。兄弟3人の相続時における共有持ち分は遺言により長女が3/10二男が6/10三女が1/10と協議により決定し登記も完了しておりました。共有するマンションは、父が税務対策として親族会社を設立し嫁に出た長女の夫が取締役として管理運営してきました、父は主権者として3棟のマンションを親族会社へ月額100万円で賃貸借し、会社がさらに転貸をするというやり方で収入を得ていました。ところが、5年前に父が他界したのをきっかけに長女の夫は運営会社取締役の権威を利用し、3棟のマンションからあがる賃貸料を自由気ままにコントロールし、他の兄弟への支払い義務を怠るようになりました。本来であらば相続人である兄弟から賃借する会社の立場で毎月100万円という定められた賃料を我々の持分に合わせ支払うという約定を無視し、空室やら修繕費やらとなにかと理由をつけて50万円にも満たない金額を振り込んでくるようになったのです。私は二男の立場で相談させていただいております。その理由はこの3棟のマンションは未だ多額の借金が残り、私自身も銀行への支払い義務があるからです。というよりも支払いはほぼ私がしているようなもので、毎月家計から持ち出すことも出てきました。たまったもんじゃありません。
持分の過半数があれば、この親族会社と賃貸借契約を解除できると話にきいたのですが、3/10の持分がある長女並びに親族会社取締役(現貸主)から拒否された場合はどうなるのでしょうか?
シュナイダーさん ( 広島県 / 男性 / 50歳 )
回答:3件

石川 嘉和
建築家
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現状をもう少し調べたほうがいいのでは
現状をもう少し調べたほうがいいのでは
長年賃貸マンションの設計をしてきましたので、その経験をもとに話をしてみます。
シュナイダーさんのマンション経営の事業形態は、マンションオーナー(=ご兄弟3人)がサブリース会社(=親族会社)に一括貸しをし、それを専門の不動産屋に転貸していて、オーナーはサブリース会社から月100万円の家賃を得るということと理解しました。
ただし、契約が家賃保証(空室の有無にかかわらず取り決めた金額が支払われる契約)か否かは、文面からははっきりとはわかりません。100万円(シュナイダーさんには持分が6/10なので60万円)と明記されているので家賃保証の形態をとっていると解釈しました。身内の中でのやりとりなので実際のところ明確な契約書がない可能性も大いにありますし、もとは実質的にはお父様がご自分でご自分に支払うということだったわけですから家賃保証などはせず会社に入ってきた家賃をなにがしかの経費をひいて個人に支払っていたというのが実態だったかも知れません。
契約の解除ですが、オーナーがサブリース会社との契約を解約するときは契約書の条項に従うことになりますが、解約の3か月前に通知するというような取り決めが多いと思います。
今回、オーナーがサブリース会社(=親族会社)を解約するときは、上記のような契約の定めに従って解約ということになりますが、そのためにはオーナー3人の意見がひとつにならなければなりませんが、それは難しい状況でしょうね。
その場合所有権の過半数の意見があれば賃貸借契約を解除できるのではないかと文面にはありますが、分譲マンションで管理業務(管理費や清掃など)を外部委託している場合、管理会社を変更するときには区分所有法に則って管理組合の総会で過半数の決議が必要とされています。このことを言われているのかも知れませんが、今回のケースとは違うようです。
補足
もし、お姉さんの配偶者の方が取り決めを無視して不当に少ない金額しか入金してこないということであれば弁護士と相談して次の段階に進まれるのがよいのではないでしょうか。
オーナー(ご兄弟)とサブリース会社(親族会社)の契約(取り決め)内容をもう少しくわしく調べてみる必要があると思います。
上記のように契約が家賃保証でない可能性が高いと考えられますが、昨今の賃貸状況ですと一般的に空室率は以前よりは高くなっています。もとは満室で60万円の家賃収入が空室率が2割になれば48万円に減少してしまいます。ひょっとしたら本当にその金額なのかも知れません。
現状をもう少し調べたうえで方針を考えられたらいかがでしょうか。

畑中 学
不動産コンサルタント
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賃貸借契約の解除を求めるところからだと思います。
はじめましてシュナイダー様
不動産コンサルタントの畑中と申します。
ご質問としては弁護士の先生にご相談する内容であると
思いますが、まずは簡単にお答えさせていただこうと
思います。
3棟を管理されている親族会社と所有者であるご兄弟皆様との間に
賃貸借契約を書面にしているのかどうかが分かりませんが、
一般的な書式をもって月額100万円にて貸借される契約をしていると
の前提としますと・・
賃料一部不払いをもって
1)不足分と滞納分を書面をもって請求(催告)。
2)応じなければ賃貸借契約の解除請求。
3)それさえも応じなければ訴訟か調亭。
(解除拒否の場合も)
簡単に言いますと上記の流れになるものと思います。
催告を行うことが重要ですので、まずはそれを行い、
反応をもってその後に進むかどうかをご判断されたら
どうかなと思います。
できれば2)の段階から費用はかかりますが、
弁護士の先生にご相談して事を起こされることを
お薦めいたします。
以上ご参考となれば幸いです。
不動産コンサルタント
畑中 学

松野 絵里子
弁護士
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不動産の共有トラブルにはまず共有の理解が必要ですね
弁護士の松野絵里子です。
大きなポイントとして、不動産の共有とはどういう権利なのかについて理解が必要ですので、簡単に整理して書きますね。
ある不動産を複数で持っているのが不動産の所有権の共有なのですが、その場合、その権利を売ったりするような処分行為は共有者みんなでしかできません。ただし、持分は勝手に売れます(買いたい人はあまりいませんが)。
そして、過半数の決定でできる行為は、管理行為になります。
管理行為というのは改良して価値を高めたりすることが典型ですが、運用するのも一般には管理行為とされています。
そうしますと、管理会社と所有者の間の管理委託契約をまずしっかり見てみてください。
そこに書いてある約束が違反されている場合には、管理会社に債務不履行責任を追求でき、解除請求もできるというのは民法の定めできまっています。
決まった金額をきちんと所有者に渡していないとか、管理をきちんとやっていないのであれば債務不履行になります。
そこで、そういう債務不履行責任を追求するのは、管理行為なのかどうかですけど、そういえると思います。
すでにある契約が履行されていないので、文句を言うのはその財産の権利を維持するための行為だからです。ですので、解除も過半数の持分の方で(つまり6割の貴殿のみで)できるかと思います。
ただ、親族で管理契約内容が明確でないという場合、債務不履行はないといわれて争いになる可能性があります。また、他の方がこれは管理行為ではないといってくる可能性はあります。
もう少し具体的なことは判例など調べないとわかりませんが、一般的質問への回答としては上記とさせていただきますが、参考になれば幸いです。
補足
当事務所では不動産に関する紛争を取り扱っており、事務所HPは、以下となります。
http://ben5.jp
メールでのお問い合わせは24時間受け付けています。
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