対象:ペットの医療・健康
鼻の腫瘍について
- (
- 5.0
- )
はじめましてアレス動物病院の沖田と申します。
さて、猫さんで目と鼻の間が腫れてというと、歯根膿瘍か腫瘍という所なのですが、主治医の先生のほうで腫瘍と診断がついたということは、歯や口には問題がなかったということでしょうか。
歯根膿瘍ではなく鼻の腫瘍とすると、治療法としては放射線治療が第一選択、抗がん剤などの化学療法が第2選択になります(抗がん剤などは腫瘍の種類によって効果はかなり違いますが)。
ネコさんの鼻の腫瘍は比較的放射線療法が効果的で、20ヶ月(あるいはそれ以上)放射線療法で維持できることもあります。
ただ、主治医の先生のおっしゃるとおり、完治は困難で、これは人間も同様かもしれません。
要はこの20ヶ月なりに飼い主さんが価値を感じるかどうかだと思います。
放射線療法、化学療法、ステロイド(効かない腫瘍もあります)、ベータグルカンなどのサプリメント(人間だとアガリクスなど)と、鼻の腫瘍に対し効果的なものから、さほどでないものまで治療方法はさまざまで、おおむね費用もそれと比例します。
このあたりからは飼い主さんの価値観によると思いますし、また現実問題として、週1、2回放射線治療を受けられる病院に通うのが物理的に無理というような問題もあるかもしれません。
飼い主さんが生活を犠牲にしない範囲でどこまで許容できるか、そしてその治療効果に価値を感じるかを、少し具体的に主治医の先生と話し合われてみてはいかがでしょう。
たとえば放射線療法の場合、どこに、どれくらいのペースで通い、いくらかかるのか。
化学療法(抗がん剤)の場合はどうなのか、ステロイドが効果を期待できる種類の腫瘍なのか、など重要なことですので、選択肢を選ぶにしても少しでも情報を主治医の先生から聞いておいたほうがよいと思います。
うちの実家の犬も甲状腺癌で、手術をしましたが転移の可能性がある状態で、今1年半たちました。
きっと再発はするだろうとは思いますが、再発するから治療が無意味だというのも極論だと思いますので、少しでもネコさんが快適に過ごせる時間を伸ばせるよう、ご家族とも話し合われてみてはいかがでしょう。
評価・お礼

neko_gan さん
2010/11/10 16:05
放射線もあまり効果がないと主治医の先生はお話くださったのですが、そんな事もないのでしょうか?
また、放射線の治療はできる回数が決まっており、副作用もあるので、お勧めはしないとも言われました。
私なりに自分でも色々と調べてみます。
ありがとうございました。
沖田 将人
2010/11/10 21:09
ご評価ありがとうございます。
猫の鼻の腫瘍は放射線療法としては最もポピュラーなものだと思います。
放射線療法も含め、あらゆる治療には副作用があります。
要は得られる効果、副作用がどちらが大きく、それにかかるコスト、手間が適切か、というところだと思います。
本当は、放射線療法を実際行っている病院の先生に一度診てもらい、放射線療法を受けるべきか、どうかの判断をしてもらうのがよいのかもしれません。
私を含め、放射線療法を本職にしていない人間が、副作用があるからやらないほうがよい、とあまり知識もないまま切って捨てるのはよくないのでは、という気がします。
ただ、やはりコストと手間はとてもかかると思いますので、じっくりご家族で話し合われてみてはいかがでしょう。
回答専門家

- 沖田 将人
- ( 富山県 / 獣医 )
- アレス動物医療センター センター長
地域に密着したワンランク上のホームドクターを
アレス(Alles)とはドイツ語で「あらゆること」を意味します。インフォームドコンセントの充実、年中無休、CTスキャナ導入など動物たちの幸せにつながることなら、飼い主様のあらゆる要望にお応えしたい。そんな願いを込めて診療に取り組んでいます。
(現在のポイント:15pt)
この回答の相談
このQ&Aの回答
このQ&Aに類似したQ&A