対象:心の病気・カウンセリング
国府谷 明彦
厚生労働省認定 産業カウンセラー
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病名そのものよりも,過剰な不安に対応する方法に目を向けましょう
こんにちは。カウンセリングルーム聴心館 国府谷です。精神医学や脳神経科学をベースに認知行動療法を中心とするカウンセリングをしています(医療行為は致しません)。カウンセラーの立場からは,判断することは医師法での診断に該当するため,直接的な表現は致しませんのでご了解下さい。
ストレスを感じて精神的にとてもつらい経験をされてきたこと,お察しします。
お調べになったとおり「社会不安障害」とは,人前で話したり,知らない人と会話するといった対人交流場面で強い不安を示し,そうした場面を避けたり,避けないときは不安や苦痛を感じながら耐えているという状態です。ご自身で思い当たることもあるのではないでしょうか。
医師からははっきりとした診断名を得られなかったようですが,精神疾患の場合、身体の病気のようにウイルスや腫瘍といった原因を究明していくのではなく,医師が診断基準に基づき,患者さんのお話から聞いた症状や視診で見られる症状だけを頼りに考慮しなければならないので,安易に病名を告げられないようです。判断するのに一定の期間を要求するものもあります。
smokeさんに社会不安障害的な部分も感じられますが,そうでない症状もあるようです。病名がわかって安心できる部分もあると同時に,ここでは,実際の「不安そのもの」に目を向けるほうがよいと思われます。不安は,本来自分の身を守るために必要なもので,不安が慎重な行動をとらせ安全につながります。不安は否定すべきものではなく,不安を感じることは人として健全なことです。
問題はそれが過剰なことです。このとき,それを自分の性格の問題と考えてそのまま放置してしまうことが多いのですが,過剰な不安に適切な対応をすることで,その後の生き方や考え方がずいぶん楽になることも事実です。有効な対応としては,認知行動療法があります。その実際の対応方法には,次のようなものが考えられます。
1.エクスポージャー(不安に身を置くことで,不安は自然に弱まるという経験をする)
2.認知再構成法(行動の背後にある思考の不合理な部分を修正する)
前述のとおり,不安を全くなくすことではなく「過剰な不安」を和らげることが目的です。ご自身で実行するのはむずかしいですので,医師に相談の上,認知行動療法を試してみるのがよいかと思われます。smokeさんの状況が良くなることを願っています。
補足
社会不安障碍(意訳)
1.よく知らない人達の前で注目を浴びるかもしれない状況にいることや行動をすることに対して感じる恐怖がずっと続くこと。自分が恥をかかされたり恥ずかしい思いをするような中で行動したり不安を感じたりすることを恐れる
2.恐れている状況にさらされることによって,ほとんど必ず不安が生じ,それはその状況が生んだパニック発作の形をとることがある
3.恐怖が過剰であること,または不合理であることを自覚している
4.恐れている状況または行為を避けているか,または強い不安や苦痛を感じながら耐えている
5.4の状態のために,正常な毎日の生活習慣や職業・学校の活動,日常の社会的活動,人間関係に支障が出ており,またはその恐怖のために強い苦痛を感じている
カウンセリングや認知行動療法の見地からご協力することは可能です。
All About経由でご連絡下さい。
http://www.choushinkan.com
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この回答の相談
失礼します。
現在大学生なのですが、精神的につらくしばらく大学を休んでいます。
具体的な症状としては
・学科(クラス)内の他人の目が妙に気になる。
・他人が前で発表していたり、勉強内容に… [続きを読む]
smokeさん (岡山県/20歳/男性)
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