音の問題は、人様々で敏感な人にとっては切実な問題です。音を抑える方法として防音と吸音があります。この二つの違いは一体何でしょう?
【防音】
防音とは隣りの部屋の音を聞こえなくする方法です。
防音効果を高めるには、音の波を伝えなくすれば良いのです。音は波ですので媒体が無ければ伝わりません。隣りの部屋との間に真空の層を設けてやれば、確実に音は遮断されます。しかし莫大な費用が掛かりますので、この方法はあまり用いられません。現実的な方法として振動しない又は、振動し難い素材で壁を造る事です。一般的にはコンクリート等の質量の思い素材で音源からの音を反射させてしまう方法が用いられています。鉛とか石膏ボードを重ねて貼るのも有効です。音が隣りに漏れない様にするのが防音です。
【吸音】
吸音とは部屋の中の音が反響しない様にする方法です。音楽ホールでは残響音が重視されます。残響音が短いと音が薄っぺらに聞こえ音に幅が生まれません。逆に残響音が長いとクリアーな音質を得る事が出来ません。残響音を適度に吸収してしまう壁材が必要となります。ここにコンクリート等の質量の大きい素材を持って来ると、音が反射されますので残響音が長くなり過ぎます。音を反射させない為にはグラスウール等の質量の小さな素材が向いています。無音室の部屋の中にグラスウールが用いられるのは音をすべて吸音させる為です。
まとめますと、防音は音を外部に漏れなくさせる事であり、吸音は音源から出た音が反射して戻って来ない事を指します。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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