●間取りを立体的に考える
間取りを考えるとき、どうしても間取りだけを追い掛けがちになります。部屋の位置関係を示す方法として、間取り図は非常に有効ですが、そこには通風・採光・強度と云った住宅の性能が表現されていません。
これは建物を立体的にみる訓練をすれば、自然と身についてきます。一階から二階までの高さを階高(かいだか)と云います。階高は概ね3m前後です。部屋の床から天井までの高さは2.4mが標準です。
明るい部屋にしようと思えば、窓を大きくする必要がありますが、隣りが空き地だからと云って、隣地に面して大きな窓を取っても、いずれ建物が建ってしまえば暗い部屋になってしまいますので隣地側の窓は換気・通風を主な機能と考えます。その窓から光が入らなくなっても暗くならない方法を考えておきましょう。
どうしても隣家側しか採光が期待出来ない部屋であれば、天窓とか吹き抜けとかを利用できないか考えましょう。将来納戸にする部屋であれば、気にする必要もありませんが、リビング等の常に人がいる空間であれば、採光の確保は住宅の快適さを求める上で、もっとも重要な要素です。
採光と同時に構造の検討も行いましょう。一階と二階の壁の位置を揃えることにより、地震に強い家になります。手書きでプランする場合は、二階をトレーシングペーパー等の半透明の紙でプランすることをお勧めします。
CADで行う場合「まどりーむ」https://madream.net/であれば、二階を描くとき一階が下書き線となって表示されます。
このコラムの執筆専門家
- 福味 健治
- (大阪府 / 建築家)
- 岡田一級建築士事務所
木造住宅が得意な建築家。
建築基準法だけでは、家の健全性は担保されません。木造住宅は伝統的に勘や経験で建てらていますが、昨今の地震被害は構造計算を無視している事が大きく影響しています。弊社は木造住宅も構造計算を行って設計しています。免震住宅も手掛けています。
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