(続き)・・ただし問題はそう単純ではなく、一筋縄ではいきません。前述のように野菜や果物などの農作物は、土壌の汚染などによって含まれる栄養価を大幅に減らしてしまいました。それだけでなく、収穫時期や保存方法、調理方法、食材どうしの組み合わせ、食べる時間帯などによっては、栄養素のもつ効果を半減させてしまう場合も想定されます。せっかくの栄養素を活かす食事法と、活かせない食事法とがあるのです。
例えば野菜にビタミンなどの栄養素が豊富に含まれているとはいえ、季節はずれのハウスものでは旬のものに比べて栄養価が半分以下に減少するとされています。また冷凍保存や加熱処理によって各種ビタミンは大幅に減少してしまいます。全てとはいかないにしても、野菜は加熱したものだけでなく、可能ならば「生野菜」もレパートリーに加え、豊富な栄養素を余すところなく頂きたいものです。
また肉を食べる際に山盛りのご飯と伴に食べると、ご飯の糖質を代謝する過程でインスリンが多量に分泌されますが、このインスリンが肉に豊富に含まれる飽和脂肪酸を溜めこみやすくしてしまいます。肉を食べる際にはむしろたっぷりの野菜を添えたいものです。野菜に含まれるビタミンや消化酵素が肉の脂やタンパク質を分解し、より消化や代謝をしやすいものに変えてくれます。
食事の時間帯の重要なポイントです。例えば夜遅くに高カロリーの食事を摂れば、早い時間帯に比べて代謝効率が悪く、体内にカロリーを溜めこみやすくなります。それとは対照的に朝食として果物をたっぷりと摂れば、果物に豊富に含まれる消化酵素が消化を助けてくれる上に、ビタミン等によるデトックス効果も発揮されて朝の目覚めの良さにつながります。朝は果物を食べて、健康的な一日のスタートを切りましょう。
そのような食生活上の工夫にも関わらず充分な栄養素が摂れない場合には、サプリメントの併用もやむを得ないでしょう。実際に食事の工夫に加えてサプリメントを活用することで体調が劇的に改善した方もたくさんいます。ただサプリメントは多くの会社から夥しい種類の商品が販売されており、どれを飲むか迷うところです。そこで栄養学に詳しい専門の医師から血液検査を受けた上で選んでもらうのが無難です。
適切なサプリメントを選ぶ際のポイントとしては、充分な量の栄養成分が含まれていること、ナチュラルな食材から抽出されており、添加物の類が極力少ないこと、基礎および臨床のデータが揃っており、効能および安全性が証明されていること、正当な医療機関の治療実績があること、などが挙げられます。有効性と安全性を証明されているサプリメントを専門の医師のもとで使用して初めて、確実な効果が得られるのです。
このコラムの執筆専門家
- 吉野 真人
- (東京都 / 医師)
あなたの自然治癒力を引き出し心身の健康づくりをサポートします
病気を治したり予防するにあたり、いちばん大切なのは、ご本人の自然治癒力です。メンタルヘルスを軸に、食生活の改善、体温の維持・細胞活性化などのアプローチを複合的に組み合わせて自然治癒力を向上させ、心と身体の両方の健康状態を回復へと導きます。
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