【聴心記「心の炎」】第13回 魂(1)・・・・身体と心 - 心の病気・カウンセリング - 専門家プロファイル

国府谷 明彦
カウンセリングセンター聴心館 聴心館館長
東京都
厚生労働省認定 産業カウンセラー

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【聴心記「心の炎」】第13回 魂(1)・・・・身体と心

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【聴心記「心の炎」】第13回 魂(1)・・・・身体と心

今回は聴心記「心の炎」です。・・・・・・【WEBセミナ】認知行動療法講座と同時並行中

前回お話ししてから,だいぶ日数が立ってしまいましたね。間が空くこともあるので,よろしくお願いします。さて,今回から,新しいお話をしましょう。

ここから,「魂」に関するお話をしていきます。といっても,宗教的なことやオカルト的な話を展開するつもりはありませんので,身構えずにお読み下さいね。純粋に,科学的な話を展開したいと思います。

ケガや病気で亡くなった
ペットについて考えてみましょう。ケガした部分や病気で損なわれた部分を治したら,ペットは生き返るのでしょうか。そうではありませんね。失った命は戻っては来ない。目の前には,動かなくなった身体だけが存在している。ということは,何かが確実になくなったと言えるのではないでしょうか? これを,ここでは「魂」と呼ぶことにします。

生き物を生かす原動力となっている「魂」と身体が相まって,生き物が構成されていると言うことになります。「魂」+「身体」 =「生物・人間」という公式が成り立つようです。

それでは,我々人間が生物として「身体」をもらって生まれてくるということには,どんな意味があるのでしょうか? 生まれる前や亡くなった後に,仮に「魂」だけの存在があるとしたら,それと「身体」を持っている生きている存在とには,どんな違いがあるのでしょうか? このお話をすると,「ドアが開けられる」とか「ボールを蹴ることができる」といったことから,「行動できること」を大きな違いとして答える方が結構います。それもひとつの答えです。

でも,「ドアを開けた」とか「ボールを蹴った」というのは,どうして自分でそれがわかるのでしょうか? 実は,「ドアノブを回した感覚」「ドアを押した感覚」「ドアが開いたことを見ている目」あるいは「ボールを蹴った足の衝撃」「飛んでいくボールを見つめる目」といったことがあって始めて,「ドアを開けた」とか「ボールを蹴った」という行動を理解しているのです。行動の背後には,その行動を認識している「感覚」があるのです。

ということは,「身体がある・・・・行動できる・・・・感覚がある・・・・感性がある」とつながってきます。感性があると言うことは,そこから生まれる感情がある。行動から生まれる感情,これは即ち,ひとつの体験となります。こうした体験が,ひいては経験につながるのです。

バンジージャンプで考えてみましょう。ジャンプするポイントに立ったとき,もう不安や恐怖を感じていますね。さんざんためらった後で,落ちていくときに重力や風圧を感じている感覚があります。怖さもある。何故か笑いがでることもある。落下した後で,ロープのバウンドで上がったり落ちたりする感覚もある。終わってみれば,おもしろかったなんていう感情もある。これらすべてが,バンジージャンプの体験ということになる。この時の記憶が,あとになって,バンジージャンプの経験ということにつながります。

身体があることによって,感覚を感じ,それが感情につながり,体験・経験につながると言うことになります。
 熱い・冷たい・痛い・気持ちいいといった感情が,ストレートに身体で感じられることは,言うまでもありません。 身体が関与して感情が生まれる。身体をもらって生まれてきたと言うことは,こうした感情を通じて経験を積んでいくことといえるのかもしれません。

一方で,身体の一部である脳によって,いろいろな思考が生まれてくるのだから,「身体(脳)があるから,思考が生まれる」とも言えそうです。しかし,身体(脳)をきっかけとしてすべての思考が生まれてくるのかといえば,どちらかというと,身体(脳)という器の中で,思考が思考を作り出しているといえなくもありません。また,思考の結果として,感情が生まれてくることもあります。「好きな人からもらったプレゼントだからうれしい」そんな場合です。これが勘違いだったとしたら,感情は別のものになりますね。

身体からストレートに出てくるものがある。それが感情であり,経験である。思考は身体の直接の産物とは言いがたい,そんな感じがします。最先端の物理学の話を聴いたことがあります。素粒子の話だったと思うのですが,ある反応が起こることを信じている科学者が実験すると,きちんとその反応が出てくる。ところが,それを信じない科学者が実験すると,その反応が出てこない。結局,人間の意志が,物質の状態を変えることができると言うのです。何となく,気功の科学的根拠が,こんな所から見えてきそうです。

「思考が物質を左右する」ということは,思考は身体から生まれてくると言うよりも,思考は物質である身体に影響を与える側なのではないか,そんな気がします。そうすると,身体を持って生まれてくると言うはじめの話に戻れば,身体のない魂が思考して,身体を持って人を生まれさせると考えることもできそうです。

身体は感情や経験を生み出す。魂は,思考して身体を生み出す。そんな結論に至りそうです。平たく言うと,身体があるから感情があり,経験できる。思考は魂のレベルでも可能である。そんな感じでしょうか。

今日のまとめとして,せっかく身体をもらって生まれたのであるから,感情を感じ,経験を積んでいくことが大切。思考は,魂になった後でもできる。そんな感じですね。そういえば,「死ぬときはどんな気持ちで死にたい?」と質問すると,大多数の人が「良い人生だったと思って死にたい」「満足して死にたい」と答えます。感情が大切なんですね。「金持ちで死にたい」とか「名誉を抱えながら死にたい」と言う人はあまりいません。

次回は,「魂」の話の2回目。「課題」というお話をしましょう。
【2012.5.25: 聴心記「心の炎」は不定期で展開します】

【お知らせ】 近々,新しいセミナを開催します。うつや不安,対人恐怖に悩む人,あるいは,自分の性格が気になる人に向けて,「自分の考え方・感じ方を変えるセミナ」を開催します。15名くらいの定員のセミナで,話を聴いたり,いろいろと実習してみるセミナです。全3回くらいのセミナで,ご自分と同じ悩みを抱える方と知り合いになれるようなものにしたいと思っています。「心の炎」の内容にも,触れるセミナにしたいと思います。
セミナに興味がある方いらっしゃいましたら,「興味あり」とメール下さい。どのくらいの希望があるか知りたいと思います。よろしくお願いします。
メルアド: info@choushinkan.com

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