合併で私が経験した事(4)−“対等”の裏側
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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集
現場の事例・私の体験
2007-10-22 00:00
しかし徐々にとは言っても、組織は一体化するわけですから、実際には様々な部分を統合、集約する作業が必須になります。そのための統合作業の現場では、事務手続きなどの小さな事でもどちらのやり方に合わせるか、意見を取るかという主導権争いがあり、そうなると対等合併とはいっても、どうしても数の論理で規模の大きい会社の主張が強くなります。良し悪しの判断基準は価値観、文化の違いといってしまえばそれまでですが、力関係が影響して純粋に効率が良いとはいえない制度や仕組みが選択されるケースがあります。一方の社員にとっては、自分たちの方が良いと思っている部分も捨てられる場合があるということです。
なぜそのように決めたか、常に論理的な理由ばかりではありませんので、説明自体が少なくなります。自分たちの良さが消え、納得できる理由も示されないという事が相手方への不満、反感となり、合併そのものに対する否定的な感情につながっていきました。
M&Aをうまく進めている所は、お互いのエゴを捨てて良い物は良い物として取り上げ、経営者が積極的な情報開示に努め、双方の社員同士が様々な形で直接接してコミュニケーションを取る機会を設け、気持ちも含めて融合できるように十分な時間をかけているという話を聞きます。私の経験としても、これらはM&Aの本質的な成否を左右する、重要なポイントであると思います。やはり企業規模の大きい側がいかに相手に配慮するか、その姿勢が一番重要な気がします。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。
03-4590-2921
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