こんにちは、東京港区の公認会計士 森 滋昭です。
1ヶ月ほど前の6月30日の朝、浜松町の駅を通ると、東京電力株主総会のプラカードを持った人がずらりといました。
今年の東京電力の株主総会は、史上最高の株主を集め、来場した株主は9,309人。6時間を超えるロングラン総会でした。
しかし、東電の株主総会で、総会に出席した株主の大半が、原発廃止に賛成の挙手をしたのに対し、東電は、大株主からの委任状で総会を乗り切ったのです。
「これじゃ、1万人近くも集めて、株主総会なんかしなくていいんじゃない!」
東電みたいに意味もない株主総会を開いたり、未上場企業でもやってもいない総会の議事録を作ったり、なんだか株主総会って無駄、と思った人も多いのでは。
実際、今年、株主総会当日の株主の議決権行使分を集計したのは、上場企業の5%にとどまっています。
ほとんどの会社は、東電同様に、総会当日の株主の議決権行使分を集計していないのです。
しかし、この6月総会で会社側提案への反対が3割以上となった会社は、前年から55%も増加しています。
例えば、野村ホールディングスや東京製綱のように、会社側が提案した取締役や監査役の選任や、買収防衛策への反対票が増加しています。
また、HOYAやみずほファイナンシャルグループでは、株主提案による取締役報酬の個別開示や株主提案での字数制限の緩和が提案され、3割以上の賛成票が集まり、会社も検討する方向です。
現在は、上場会社の外国人投資家は、2割や4割を占めると言われますが、英語で株主への招集通知書を作成している会社は少なく、海外機関投資家から積極的な意見が十分反映されていない状況です
今後、上場企業の株主総会は、海外の機関投資家の動向も含めて、投資家との対話型総会が課題となっています。
より活発な株主総会となれば、会社法務や弁護士の方、機関投資家だけではなく、個人の投資家にまで影響が広がるでしょう。
ただ、会社側は株主総会当日まで、本当に気が抜けなくなってきますね。
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このコラムの執筆専門家
- 森 滋昭
- (東京都 / 公認会計士・税理士)
- 森公認会計士事務所 公認会計士・税理士
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監査・税務・ビジネス、”3つのキャリア”で、約20年。 その間、いつも「決算書の数字の奥にあるものをみる!」感覚を研ぎ澄ましてきました。 だから・・・ベンチャーから上場企業まで、あなたの会社の、一番の社外サポーターに!
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