- 森 滋昭
- 森公認会計士事務所 公認会計士・税理士
- 東京都
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東大が秋入学を検討しているとの記事が掲載されました。
大学の国際競争力を高めるために、海外と同じように9月入学とし、海外からの優秀な人材を確保していくそうです。
例えば、オックスフォードのような海外の大学の留学生比率が約30%なのに対し、東大は11%に過ぎないそうです。
早くも産業界からは、「国際化対応にプラスだ」、「通年採用を視野に入れていく」、といった声も上がっています。
私は、東大が秋入学を始めれば、雇用面だけではなく、管理部門にも広範囲な影響を与えるのではないかと思います。
仮に、東大が秋入学を行い、旧帝大や早慶の多くも秋入学とし、留学生比率も3割になれば、キャンパスの風景は一変し、学生も、多様な価値観を持ち、英語をある程度使いこなすようになります。
そして、彼らが日本企業に入社した時、日本企業はより欧米化していくと考えられます。
例えば、通年採用は会社の“同期”をなくし、従来のような社員の一体感は喪失し、終身雇用制度も崩壊するでしょう。
また、外国人が日本企業へ入社する機会も多くなるでしょう。
一方、日本企業の欧米化は、雇用慣行だけではなく、経理等の管理部門にも広範囲に影響が及びます。
例えば、経理部門を例にとると、現在問題となっているIFRSに対しても抵抗感が薄くなり、スムーズに導入されるでしょう。
この結果、社内の管理基準が、真に世界共通の尺度となり、管理部門がよりグローバル化します。
現状の日本企業は、英語の問題もあり、各国の子会社管理を現地に任せたままで、海外子会社がブラックボックス化しているケースがあります。
実際、IFRS導入時に、本社が海外子会社の経理処理をチェックしたところ、「今まで、こんなことをしていたのか」、と実態が明らかにされる場合があります。
つまり、本社の指示が十分に理解されないまま、海外子会社で業務が処理されていても、誰もチェックできない状態となっているのです。
今後、英語のできる人材と、本当に世界共通の基準・尺度が導入されれば、日本企業もより一層グローバルにビジネスを管理することができるようになります。
ただ、東大の秋入学は議論が始まったところであり、仮に実現しても、入学してから卒業するまで4~5年、さらに彼らが会社で戦力となるには数年の歳月を要します。
そう考えると、実際の社会へのインパクトは10年以上先になるのでしょうか。
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このコラムの執筆専門家
- 森 滋昭
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監査・税務・ビジネス、”3つのキャリア”で、約20年。 その間、いつも「決算書の数字の奥にあるものをみる!」感覚を研ぎ澄ましてきました。 だから・・・ベンチャーから上場企業まで、あなたの会社の、一番の社外サポーターに!
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