結局は自分次第-セルフモチベーションマネジメント
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私が企業をお手伝いするのは、専門家としての自分の経験や、集めてきた情報やノウハウを、人事に関する制度や仕組みづくり、研修などを通じて提供していくという形になります。
その企業の課題解決や組織改革をテーマにするわけですが、中には組織に属する人たちの基本的な考え方や価値観、行動を見直さなければならないようなこともあります。社員一人一人の考え方の根本を変えようという事になる訳ですが、そもそも他人の考え方や行動を変えるなんてことは、そうやすやすとできる事ではありません。
コンサルタントという立場であれば、“こうすれば変えられる”と断言しなければならないのでしょうが、最終的に変われるか、変えられるかどうかは、やはり当事者の意識次第になってしまいます。
もし何か変われるきっかけを作ったならば「良いコンサルティング」となるでしょうし、そうでなければ「良くないコンサルティング」となるでしょう。きっかけを作る確率の高い人が良いコンサルタントなのでしょうが、一般的にコンサルティングへの満足度は高くないことが多いと言われますから、やはりなかなか難しいことなのだと思います。
私も難しいながらも良いきっかけを作れるよう、最善の努力をしているつもりですが、コンサルタントができるのは、その企業の皆さんが考える材料を提供し、納得しながら意識を変えていってもらう手助けをするところまでで、結局は社員一人一人がどう考えるか、要は自分次第という事になります。いくら制度を変えても研修をしても、その他いろいろな働きかけをしても、それぞれの人の心に響かず、考え方も行動を変わらなければ、やったことの意味は無くなってしまいます。
私が最近よく考えるのは、「ならばきっかけの見出し方、自分のやる気の出し方を自分自身でコントロールできるように手助けすればよいのではないか」ということです。「相手任せのきっかけ作り」から「自発的にきっかけをつかんで自己管理できる」へ、一歩進められるような気がしています。
モチベーションについては「他人のモチベーションをどうやってアップさせるか」というアプローチで語られることが多いですが、それを100%自分目線で考えてみるという事になります。自分が落ち込んでいる時には自分でそれをくいとめて自分を盛り上げる術を知り、自分にやる気があふれている時には自分でそれを継続する術を知り、自分が迷っている時には自分で方向を決められる術を知り、それをうまく実行できれば、何事も自分の力で良い方向に向けていけるようになるでしょう。究極の自己管理かもしれませんし、単なる気の持ちようだけでできる事なのかもしれません。
同じような取り組みを行っている話はいくつか聞きますが、私も自分なりの視点と経験で「モチベーションの自己管理(セルフモチベーションマネジメント)」ということをまとめ、情報提供していければと考えているところです。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。
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