【会社設立手続きを学ぶ】というテーマを掲げたコラムも3回目となりました。
まだ入口の手前の部分なので、まだまだこのテーマでの記事が続きます!
末長くお付き合いのほどを・・・
さて、今回は、
株式会社と合同会社の違いについて
説明していきたいと思います。
違いがある項目を羅列してみると、以下のようになります。
所有と経営
機関構成
設立費用
資金調達
利益配当
知名度
決算公告
これらの点について、株式会社と合同会社は違いがあります。
所有と経営について
株式会社の特徴としては、所有と経営が基本的に分離しているということです。
株式会社の場合、業務執行者として最低取締役1名が必要なのですが、取締役は必ず出資者(株主)でなければならないということはありません。
しかしながら、合同会社の場合、業務執行者は必ず出資者(社員)でなければなりません。
機関構成について
株式会社の機関として、最低「株主総会」と「取締役」が必要となります。
他にも、会社法によって、設置機関にいろいろな制限が設けられています。
しかしながら、合同会社の場合、機関の設計が自由であり、柔軟な会社経営が可能です。
設立費用
株式会社の場合、設立費用が最低24万円程度必要となります(電子定款なら20万円程度)。
合同会社の場合、設立費用は最低10万円程度(電子定款なら6万円程度)で、株式会社との差は14万円程度になります。
資金調達
株式会社の場合、所有と経営が分離しているという性格上、お金だけ出資する株主を広く集めることが出来るので資金調達がし易い。
しかしながら、所有と経営が分離していない合同会社は、外部からの資金調達は困難である。
利益配当
株式会社の場合、利益配当は出資比率によって配分されます。
株主A・Bの出資比率が2:1の場合、利益配当の分配比率も2:1になります。
しかしながら、合同会社の場合は、その配分を自由に設定することが出来ます。
社員A・Bの出資比率が2:1であっても、利益配当の分配比率を1:1にすることも出来ます。
知名度
知名度は、間違いなく株式会社があります。
それと、「株式会社」は大きい会社、「合同会社」は小さい会社というイメージもあります。
会社の中で、「株式会社」が約98%に対して、「合同会社」はわずか1%ぐらいしかありません。
決算公告
株式会社の場合は、毎年決算公告をしなければなりません。
ですので、毎年決算公告に掛かる費用が発生することになります。
しかしながら、合同会社は決算公告の必要がありません。
さて、株式会社と合同会社はの違いは、以上のようなことになりますが、問題は、自分の場合はどの会社形態が適しているのかということ。
そこで、
合同会社に適しているのはどのような場合なのか?
というのが分かれば、おのずと自分の選択する会社形態が分かるというものです。
合同会社に適しているのは、次のような場合かと思います。
あまり大きな資金調達を必要とする事業ではない。
かつ
事業の基盤が個人の技術である事業。
これには、デザイナーやライターさんなどが該当しそうですが、このような職種の方で、さらに、
法人にすることによって節税のメリットが享受できるような場合
には合同会社が向いているように思います。
また、
事業を展開するためのお金はあるけど、その事業を遂行していくための知識やノウハウが無い人
事業を遂行していくための知識やノウハウはあるけれど、事業を展開するための資金が無い人
こういう人たちが組んで事業をやる場合にも、利益配分の配分比率が自由に設定できる合同会社は向いているでしょう。
このコラムに類似したコラム
法人口座の開設 佐藤 良基 - 司法書士(2011/06/07 17:16)
「会社をつくろう!」④会社の目的と許認可が必要な事業 市山 智 - 司法書士(2012/07/18 00:00)
会社設立手続きを学ぶ その15 廣畑 信二 - 行政書士(2011/12/21 09:29)
会社設立手続きを学ぶ その12 廣畑 信二 - 行政書士(2011/11/30 11:16)
会社設立手続きを学ぶ その10 廣畑 信二 - 行政書士(2011/11/16 10:34)