単純な例で言えば、景気変動の影響が比較的少なかった業界の仕事に関わっている所などですが、面白かったのは、例えば顧客が大口1社に依存しているが、その中の部門とまんべんなく取引しており、当然部門毎に業績の比較的良い所と悪い所が混在していて、業績の良い部門とそれなりの取引比率があったのでトータルではバランスが取れた、というような会社がありました。
一般論で言えば、取引先が1社に集中することは良しとされないでしょうが、取引先自体が幅広くビジネスをしていて、そこに深く入り込んでいれば、結果的にはリスク分散になっていたということなのだと思います。
お話を伺う中で、案外悪くないという会社の皆さんが割とおっしゃるのが、謙遜もあるのでしょうが「結果オーライもあるよ」ということでした。もちろんどこに商機があるか、どうすればリスク分散できるかは常に考えていたと思いますが、必ずしも思った通りに運んだ訳ではないのだと思います。そこには理屈だけでは説明できない運や、経験からくる勘といった要素もあったのだと思います。
先を見通すことが難しい今のような時代、一般論だけでは解決しきれない事も多い事を感じている所ですが、さすがに運や勘といったものをどう磨いていくかはなかなか難しいことです。
ただ“運”は他人が運んでくれるもの、“勘”は経験で研ぎ澄まされるものと考えれば、結局人脈を広げて経験を積んでいくことに尽きるのかもしれないと思っている次第です。
このコラムの執筆専門家

- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。
03-4590-2921
「社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集」のコラム
「カリスマリーダー」は配慮が細かいという話(2024/01/31 23:01)
「うちは特別だから」という会社の話(2024/01/10 22:01)
メリットだけではない「離職率の低さ」(2023/12/06 23:12)
「いつでも機嫌が良い」というリーダー資質(2023/11/01 16:11)
「根気の続かない人」と「融通が利かない人」(2023/10/19 13:10)