■住宅窃盗犯の素顔
私は、検事を職とする方の住宅を設計したことがあります。100人以上の住宅窃盗犯を取り調べ、その一人ひとりと相対してきたこの方から、窃盗犯の特徴をお聞きすることができました。個別の積み重ねから生まれた総合としてのリアルな犯人像が際立った特徴をもつことに驚きました。
この方によると、住宅窃盗犯は完全に2極分離しているといいます。一つの極はいわゆる空き巣で、何よりも捕まることを恐れ、ひたすら「安全」に「確実」に「容易」に盗めることを最優先します。そのため事前に住人の生活パターンを調査し、十分な不在確認の上犯行におよびます。犯行方法は専門分化しており、自分の専門技能以外は使いません。また専門分化が特殊技能を生み、マンションの12階まで排水管を伝って上るとか、バルコニーを懸垂の姿勢から上るなどの超絶技巧も存在します。一方、パソコンを持ち込み必要情報を盗み出すという知能犯もいます。概して職人気質であり、頭脳と技を使い計画性を重んじる専門職です。また大金のために危険を冒すよりも、少しの金でも確実に盗める方を選ぶローリスク・ローリターン指向です。性格は繊細・小心で、犯行時は極度に緊張し神経が高ぶるため、突然の音や光に異常に反応してしまいます。センサーライトやダミーのカメラでも、十分役に立つとのことです。(つづく)
このコラムの執筆専門家
- 西島 正樹
- (東京都 / 建築家)
- 西島正樹/プライム一級建築士事務所 建築家
一人ひとりの生き方と呼応し、内面を健やかに育む住宅を
家づくりを大切に考えることは、生き方を大切に考えることにつながるのではないでしょうか。一人ひとりの生き方、考え方に呼応してこそ、住む人の心を育む建築空間が生まれます。この世にひとつだけの家づくり。ぜひ、ご一緒できればと願っています。
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