■油断大敵
設計段階で建主として理解しなければならないことは、技術や建物の工夫には限界があることです。実は窃盗犯罪の30%は無施錠の窓から侵入しているのであり、住み手のちょっとした油断を犯人は見逃しません。また、設備技術の向上に比例して人間の油断も高まります。例えばマンションではオートロックがある場合ほど、また高い階ほど、窓に鍵をかけない人が多く、それを専門に狙う窃盗犯もいます。また、防犯はその代償として不便をもたらします。鍵穴の高さを変えることは、鍵を入れにくさにつながることもあります。さらに防犯はあくまで危険率を下げる予防策であり、あらゆる種類の窃盗に対する100%の安全保障は不可能なことも、理解しておく必要があります。このようにセキュリティ対策は、技術だけではなく、住み方も含めた総合的、継続的な闘いとなるのです。(つづく)
このコラムの執筆専門家
- 西島 正樹
- (東京都 / 建築家)
- 西島正樹/プライム一級建築士事務所 建築家
一人ひとりの生き方と呼応し、内面を健やかに育む住宅を
家づくりを大切に考えることは、生き方を大切に考えることにつながるのではないでしょうか。一人ひとりの生き方、考え方に呼応してこそ、住む人の心を育む建築空間が生まれます。この世にひとつだけの家づくり。ぜひ、ご一緒できればと願っています。
「マスメディア・コラム」のコラム
Best of houzz 2023を受賞しました(2023/02/16 12:02)
【"推し"の建築家】に選ばれました(2022/02/07 11:02)
TV【突撃!となりのスゴイ家!】で紹介されます(2021/06/11 18:06)
展覧会が再開となります(2021/03/18 21:03)
【温かな照明に包まれるモダンな家】として掲載されました(2019/11/25 18:11)
このコラムに類似したコラム
セキュリティデザインを楽しむ-11(終) ■美しいデザインと防犯 西島 正樹 - 建築家(2019/11/05 16:45)
セキュリティデザインを楽しむ-9 ■情報戦を制する 西島 正樹 - 建築家(2019/10/28 16:24)
セキュリティデザインを楽しむ-8 ■【ケアゾーン】と【ケアフリーゾーン】 西島 正樹 - 建築家(2019/10/25 16:39)
セキュリティデザインを楽しむ-1 ■「建築家とのいえづくり」とセキュリティ 西島 正樹 - 建築家(2019/09/24 18:37)
認知症家族の必需品その2 齋藤 進一 - 建築家(2022/05/30 07:00)