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意外によくある「主観のコミュニケーション」での行き違い

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 目に留まった事

 あるステーキ専門のレストランで見かけた光景です。

 年配の女性がメニューを指して、店員さんに「このお肉は硬い?」と尋ねています。

 店員さんは少し困った様子で、「○○なので、それほど硬い部位ではありませんが・・・」と答えています。

 

 そのお店は、安価でステーキを食べさせるところで、値段のわりにおいしいと評判のお店ですが、誰が食べても柔らかいと思う、とろけるような霜降り肉が出てくることはあり得ません。

 

 いろいろ尋ねていた年配の女性は、その後運ばれてきた料理を一口食べ、また店員さんを呼んでいます。

 「硬くないって言ったのに硬いじゃないの! 私はこれでは食べられないわ」と怒っています。

 

 その様子を見ていた私の気持ちは、「そんなに柔らかい肉が食べたいなら、そもそもこの店に来ることが間違っている」「安い肉を頼んで、硬いとか文句を言うな」という感じでした。

 

 ただ、考えてみれば、質問されていた店員も、確かに「これならたぶん大丈夫」というようなことを言っていたので、まったく責任がないとは言えません。

 もしも私があの店員の立場だったらどうしたか、あの質問にそつなく答えるのはたぶん難しく、確実な対応は、それこそ試食でもさせるくらいしかありません。

 

 同じように、客の女性のことも肯定的に捉えてみて、もし自分がその立場だったと考えてみると、実はそれほど贅沢なものを望んでいた訳ではなく、もしかしたら歯が丈夫ではないかもしれず、できるだけ自分で食べられそうなものを探そうにも、尋ねる言葉は「硬いかどうか」くらいしか思いつきません。

 

 実はこういうケースは、日常生活の中にも結構あるように思います。

 仕事上のことでいえば、

「できるだけ急いでね」

「わかりました」

   ↓

「急いでって言ったのに遅いよ!」

「できるだけ急いでやりましたよ!」

などという感じです。

 

 こういう行き違いが起こるそもそもの原因は、「硬い」「柔らかい」「できるだけ」など、人によって前提条件が違う主観的な表現で、お互いに何となくわかったつもりでやり取りをしたことにあります。

 特に主観同士のやりとりでは、お互いのずれはさらに増幅してしまいます。

 

 これを避けるには、お互いに認識のずれが起こらないような、具体的、客観的な表現でやり取りをするように心がけるしかありません。「できるだけ急いで」ではなく、「〇日の〇時までに」といった具合です。今さら言う必要もない基本的なことでしょう。

 

 ただ、先ほどのレストランでのやり取りのような、肉の硬さを食べる前からうまく伝える方法は、未だに思いつきません。「具体的に表現すれば良い」などと簡単に言っても、その対象によっては、実はかなり難しいことがあります。

 安全サイドで考えて、「硬いです」などと言ってしまった方が、トラブルにはなりづらいのかもしれませんが、それでは根本的な解決になりません。

 

 こればかりは、お互いが「“主観のコミュニケーション”は行き違いになりやすい」と意識して、お互いが慎重に確認し合うしか方法がないのかもしれないと思っています。

 

 

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