留学中の高校生です。ホームステイで晩ごはんが出ない日があります。

ネットの「留学相談コーナー」には毎日のように、ホームステイのひどい現状についての相談が寄せられています

ホームステイはホラーストーリー。

こう警告を発し始めてかれこれ30年近くになりますが、「そんなわけないだろう。ホームステイは楽しいはず。」と聞く耳持たずの高校留学が盛んです。

留学生活を始めたとたん、「え？これがホームステイ？」

そんなご相談のひとつをご紹介します。

【質問】 

高校生です。今ホームステイしています。ホームステイを初めてかれこれ2ヶ月経ちますが、週に1,2回夜ご飯がでない日があります。だいたい日曜日は決まって夜ご飯がありません。

出る日もハッキリ言って満足できる量や内容じゃないです...レパートリーも少なく飽きそうです…。お母さんに夕飯見せてと言われて写真を送ったらこれはあんまりじゃない？と返事が来ました。

ホームステイを変えれれば1番いいのですが、せめて夜ご飯は毎日食べたいです。

ホームステイの注意事項には、「週日は1日2回、週末は3回食事が提供されます。」と書いてあります。これは契約違反となりますか？コーディネーターに相談してもいいでしょうか？

【回答】

日本の、特に未成年留学生が遭遇するホームステイ事情は、まるでホラーストーリーです。

ホームステイのひどい状況は今に始まったわけではなく、20年以上も前から存在している残念な事実です。

カナダ在住、日本からやって来る留学生の支援を行っています。

1994年から、高校留学を間近に見て来ましたが、ホームステイ状況は悪化の一途をたどっています。

コラム、ブログ、このような質問サイトにて、ずっと警告を発信し続けていますが、未だに何も知らずに「夢のホームステイ」を描いてやって来る高校生が後を絶ちません。

日本の親もこの惨状を知っていたら、果たして大切な子供を送り出したでしょうか。

月々のホームステイを払っている留学生に、3度の十分な食事を提供するのはホストファミリーの義務です。　

これはどの国、どの地域に留学している高校生にも当てはまります。

人権に関わる重要な問題ですからね。

ただし、日本のお母さんの作ってくれる食事と同じ内容、質は期待しないこと。

特にカナダ、アメリカなどの食事内容は、時には「これを食べろって？」と衝撃を受けるほど大雑把です。

また、ホストが出かけるときなどには、自分で用意して食べることも至極普通のことです。

その場合は、冷蔵庫の中の食材を使い調理することになります。

しかし、中には、「冷蔵庫の中はほぼ空っぽ」というケースもありますので、そうなると「食事を提供していない」と、同等の悪質なホストということになります。

まだまだ成長中の高校生が、3度の食事も、栄養も満足に取れないのは深刻な問題です。

相談出来るコーディネーターがいるのでしたら、ぜひ苦情を出し、解決してもらうか、ホストを変わるようアレンジしてもらうかの行動を起こすべきですね。

ただ、最初にも述べましたように、最悪なホームステイ事情の中、新しいホストがみつかるかどうかは疑問です。

その場合は、苦情を出したことで、今のホストとの関係がこじれることも十分あり得ます。

残念ながら。

また、新しいホストに移れたとしても、そのホストが今より良い家庭という保証はありません。

状況が悪化することもありますので、その覚悟も必要です。

未だ親の保護の必要な高校生の留学。

日々、平和で健康的な生活を送るという、基本的人権も侵害されてしまうのが「高校留学の現状」です。

無料eBookも公開中ですので、参考までに日本のお母様にも読んでいただいて下さい。

あなたの置かれている状況がより理解出来ると思います。

もし、カナダで留学なさっており、地域、スクールボードなど限定していただいたら、より具体的なアドバイスも可能かと思います。

このようなケースではコーディネーターの権限は非常に弱いです。

それよりも弱いのが留学生の権利です。

行き詰まったら、また改めて個人的にご相談下さい。

Cheers!