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大澤 眞知子
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閲覧数順 2024年04月18日更新

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ホストファミリーって儲かるんですか?

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ホームステイについての現実的な質問が舞い込みました。

そうですよね、悪質なホームステイで甚大な被害を被るのは留学生本人ですから。

留学生みんなが実態をよく認識しておくことが大切だと感じます。

日本からやきもきする親のみなさんも、ホームステイは問題だらけであることをよくご理解の上、子供さんを送り出して下さい。

 

【質問】

 

ホストファミリーを受け入れてる海外の人って儲かるんですか? 

留学エージェントに支払うホストファミリー代がまさかそのまま入るわけなんかないですよね。

ほとんどの人は多分お金目的で受け入れてると思うので、実際どうなんだろうなと思って質問させていただきました。

 

【回答】

 

多くの留学生が疑問に思っていることでしょうね。

率直で興味深い質問です。

 

カナダを例に取ってお話します。

カナダ、BC州バンクーバー近郊在住、日本からやって来る優秀でがんばり屋の若者の留学支援を30年近くやっております。

 

1.カナダの中でもルールがわかりやすい高校のホームステイでは、各School BoardのInternational Programがホームステイ費を勝手に決めることが出来ます。

ですから、月額ホームステイは千差万別。

アルバータ州の小さな町の月$650からバンクーバーやトロントの月額$1,000に迫るところまで、様々です。

 

高校留学の場合、ホームステイ費は前もって1年分をSchool Boardあるいは、エージェントを通したならばエージェントに払う場合が多いです。

つまり、1年分を前払いし、それはSchool Boardやエージェントが保持しておき、毎月(月初めか、月末かはそれぞれ)ホストファミリーに支払いを行います。

1年分(普通学校のある期間の10ヶ月)ですから金額も大きく、$6,500 ~ $10,000に上ります。

それを何かに投資するだけでも利子が稼げてしまうSchool Boardやエージェントです。

ずるいですね。

 

では、全額がホストファミリーに渡されるかというと、これも各School Board, エージェント次第です。

アルバータ州の小さなSchool Boardでは、ホームページ上で月額$650と書いていますが、結局ホストが受け取る金額は$600。

「なぜですか?」と教育長に掛け合ったこともありますが何やら「もごもご」言うだけで合点は行きませんでした。

しかも、月末にならないと払ってくれないので困る!とよく文句を聞かされました。

他のSchool Boardもおそらく事務手数料とか何とか理由をつけてそれを差し引いた額を払っているところが多いと思います。

 

エージェントに至っては手数料で稼ぐビジネスですので、まず全額渡すことはないと思います。

 

また、最近はホストファミリーの悲観的不足や、耐えることのないホームステイ上のトラブルを面倒がり、ホームステイのみを手掛ける業者に丸投げするSchool Boardも増えています。

そうなると、実際のお金の動きは闇の中です。

どれだけ業者が中間搾取しているのかを探り当てるのはかなり難しいです。

 

2.ホームステイは儲かる?

 

まず99%、ホームステイを受ける家庭は入ってくるホームステイ費を当てにしています。

自分の家族のペースを二の次にし、わざわざ親元を離れてやって来る英語の不自由な未成年を1年も引き受けるには、無償奉仕は考えられないですね。

 

では、儲かるのかというと?

仮に月$800ドルのホームステイ費で考えてみましょう。

 

カナダの物価は高いです。

食料品の値段も、ガソリン代も、光熱費もかなりの出費となります。

それプラス、留学生の集まる都会では住宅費や家賃の高騰が続き、特に子供を抱えている家庭では共働きをしないと破綻してしまうほどです。

 

現在、カナダの家庭は大きな負債を抱えています。

政府発表によると、全国平均して1家庭、収入の1.7倍もの負債に苦しんでいるとか。

給料をもらってももらっても返せない1.7倍です。

給料が1日でも遅れると支払いにも事欠くカナダ人が3分の1いることも大きな問題です。

 

そのような家庭にとっては、月$800は嬉しいでしょうね。

ただし、留学生へのケアはかなり手抜きとなると思います。

食費(毎日3食)、シャワー、洗濯などで使う光熱費、留学生の送り迎えなどに必要なガソリン代などなど。

すべて十分に面倒みると、おそらく800ドルはあっという間になくなる出費です。

 

私も経験しましたが、食べざかりの10代に、量もあり、栄養バランスの取れた食事を3食(昼食のサンドイッチなども含んで)食べさせるにはかなり食費が必要です。

シャワーも日本の留学生は結構長時間お湯を出しっぱなし、洗濯も少しの量でも頻繁にしたいと言います。

それを全部「いいよ!」と認めると、光熱費自体もかなりの金額を消費する計算となります。

 

なるほどね〜、ホスト希望者が少ないわけだと実感した経験でした。

 

じゃ、なぜお金目当てのホストが存在する?

 

留学生からの相談で非常に多いのが下記です:

・食事の質が悪い(野菜がほとんど出ない、ファーストフードや冷凍食品が多い、朝ごはんはシリアルとかのみ、サンドイッチもハムだけ、チーズだけのような質、食事のない夜もある、などなど)

・シャワーの時間を制限される(5分以内とか、ひどいケースは3分以内とか)

・洗濯の回数も制限される

・送り迎えをなかなかしてくれない

 

おわかりですか?

受け取る金額を少しでも残すための措置だと思います。

____________________ 

 

カナダだけでなく、留学生の集まる国はどこでも、ホームステイの惨状が続いています。

どのような解決方法があるのか、誰もわからず、とりあえず今までのやり方を続け、留学生の生活状況には目をつぶる。

残念ながらこれが長期留学のホームステイの実態です。

 

ホームステイでの問題で困っている方はご相談もどうぞ。

カナダ以外では手出しするのは不可能に近いですが、側面から色々アドバイスさせていただいています。 


「カナダ高校留学の実態」eBookダウンロードはこちら。

 

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カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。

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