ホームステイの現実ー甘い夢は見ないように その2 - 海外留学・ホームステイ - 専門家プロファイル

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大澤 眞知子
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閲覧数順 2024年11月11日更新

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ホームステイの現実ー甘い夢は見ないように その2

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「カナダ人の家庭にホームステイ。家族の一員として楽しい経験。」とエージェントや学校のホームページで描かれている留学生の生活。

現実とは大きく乖離しています。
こんな質問に出会いました。 期待で胸をふくらませる気持ちが痛々しく思えます。

(質問)

近々カナダに留学する者です。ホストファミリーが決まったのですが、ご夫婦に5歳、1歳、0歳のお子さんの計5人家族でした。こんな小さな子たちがいて、さらに留学生 も受け入れるなんて!と驚きました。海外の方はどこもこんなにパワフルなのでしょうか?

(回答)

カナダで優秀な日本人留学生の支援をして30年近くになります。

ホームステイは決して甘いものではなく、問題解決の連続だと心を決めてカナダに来て下さい。


1.問題が起こった場合、あるいは日常の相談窓口は絶対必要です。

カナダで一体誰に相談出来るのか、日本語で相談に乗り、動いてくれる人がいるのかも前もってきちんと把握しておくことが大切ですよ。


2.どこの国に行ってもそうですが、ホストファミリーは善意のボランティアではありません。

毎月決まって入るホームステイ費(結構な額ですよね)と引き換えに、部屋と食事を提供する契約を結んでいる人たちです。

ホストの責任も決められていますが(清潔な部屋と3食など)少々手抜きしても、学校や斡旋側は動いてくれませんので、自分で日頃からホストと良好なコミュニケーションを取り、必要なことははっきり要求出来る能力を持つことも必須です。

生徒が守るルールに関しても、学校側が明確に決めていて、留学生への差別か!と思えるような厳しいルールが多いです。

欧米のホストは、学校側へはかなり強引に文句を持って行きますので、そこも要注意です。


ホームステイ費を余分な収入と捉えてくれるホストはまだましですが、自分たちの生活費をホームステイ費に頼っているホストも多いのが現実です。

あなたのホストがそうであるかどうかは、家の中の状態、食事の質などを観察するとわかってくると思います。

ホームステイ費が払われる日の前の1週間は冷蔵庫が空っぽという、凄まじいホストから生徒を退去させた経験を今でも思い出します。


3.今回決まった小さな子どもが3人もいるホストの場合、心配事項がたくさんあります。

留学生をベビーシッター代わりに使うことは禁止されていますが、ホスト内で起こることには学校の監視は行き届きません。

従って、かなりの時間、子どもの面倒を見ることになるのは今までたくさん目撃してきました。

最初から「勉強の時間だから」とかきちんと理由を作り、ベビーシッターを日常にしないよう毅然とし、しかも礼儀正しい態度で立場を表明しておくことが大切ですね。


また、欧米の子どもたちは「躾が悪い」です。

日本とは躾の仕方が違うと言えばそれまでですが、親は怒りません。

おそらくあなたの部屋にも勝手に入ってきて物を持っていくと思います。

勉強で忙しい時にも構わず、遊んでもらいに入ってくるでしょう。

親に止めてもらうことは不可能ですので、自分からきちんと子どもにルールを守ってもらうように接することも必要です。 ただ、やりすぎると親に恨まれますので、なかなか難しい問題です。


4.もう10年以上も続いている傾向ですが、ホストファミリー自体の数がかなり不足しています。

お金を払ってもなり手がいません。

カナダの人たちに話を聞くと「前に面倒をみた留学生がとんでもなかったから、もうこりごり」「英語も出来ないし、部屋に閉じこもっている留学生にはもう興味がない」「カナダの文化をリスペクト出来ない留学生のホストはしない」などなど、過去の留学生の失態によりいわゆる良いホストたちが、どんどんホストファミリー予備軍から消滅しているのが現実です。


日本で留学を夢み、ホームステイを夢み、エージェントにも楽しいよ!と言われて海をわたる日本の若者には厳しい現実ですが、守ってくれるはずの親元を離れた日本の高校生にとり、ホームステイは楽な経験ではないことをよく認識しておいて下さい。


あなたのホストが常識を持った良い人たちでありますように。


Good luck!

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(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
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カナダにいらっしゃい!

カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。

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