日経記事;『ルネサス、6600億円で米半導体買収 IoTの中核技術取得 設計・開発に軸足』に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

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日経記事;『ルネサス、6600億円で米半導体買収 IoTの中核技術取得 設計・開発に軸足』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

9月1日付の日経新聞に、『ルネサス、6600億円で米半導体買収 IoTの中核技術取得 設計・開発に軸足』のタイトルで記事が掲載されました。
本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の一部抜粋内容は、以下の通りです。

『半導体大手のルネサスエレクトロニクスは米国の半導体メーカー、インテグレーテッド・デバイス・テクノロジー(IDT)を買収する方針を固め最終交渉に入った。買収額は60億ドル(約6600億円)規模とみられる。IDTはあらゆるモノがネットにつながる「IoT」の中核技術である通信用半導体の設計・開発に強みがある。。。』

この記事は、ルネサスが半導体のファブレス企業である米半導体メーカーIDTの買収を検討していることについて書いています。

ルネサスが、この記事の通りにIDTの買収を検討しているならば、ルネサス自信が大きな成長を見込める、自動運転車のビジネス領域で勝負をかけるとともに、他社との差別化・差異化を図るためのビジネスモデルを新規構築することを意味しています。

IDTのビジネス概要は、下記Webサイトに掲載されています。
https://idt.gcs-web.com/static-files/57c60de3-c8a6-41df-86cf-5c0c32872716

当社は、顧客の用途に最適化したシステムレベルのソリューションを開発・実用化しており、通信、コンピュータ、民生用電子機器、車載、産業の用途向けに完全に最適化したミックスド・シグナル半導体のソリューションを提供し、この業界では、リーダー的な役割をもっています。
IDTの強み・特徴は、使用目的に応じた当該半導体の開発・実用化能力にあります。

今までの国内半導体メーカーは、過去の成功体験から、製造設備への巨額投資で製造コストを削除した量産効果で、差別化・差異化を図ろうとしてきました。

しかし、この国内メーカーのビジネスモデルは、韓国メーカーのより巨大投資の実行により、競争力を失って世界市場でシャアを奪われてしまいました。

ルネサスは、この国内半導体メーカーの今までのビジネスモデルではなく、自動運転機能の開発・実用化に必要な半導体の開発・実用化を行うことで、収益確保・拡大するビジネスモデルへの変換を行おうとしています。

ルネサスのやり方は、合理的です。

ルネサスがこのビジネスモデルの変換に成功するかどうかは、買収後のIDTの扱い方によります。

買収後も、IDTの現在の経営のやり方を継続して行えるようにすることが、ルネサスの成功のカギになります。

インターネット・ITの事業領域では、M&Aを含めたオープンイノベーションのやり方が、最も普及しており合理的です。

どんな巨大企業でも、インターネット・IT・AI・IoT対応を行う必要がある自動運転機能の開発・実用化を行うことは、不可能です。

これは、関連事業領域が広いことと、当該分野の技術革新が猛烈なスピードで起こっていることによります。

自動運転機能の開発・実用化を行うには、参加企業がお互いに強みを持ち寄って、フラットなやり方で、連携・協業(アライアンス)を組むオープンイノベーションのやり方が必要不可欠です。

ルネサスが、IDT買収後に、他社を巻き込んだオープンイノベーションのやり方を徹底的に行うことが、自動運転機能の開発・実用化で勝ち組になるために必要なことです。

このオープンイノベーションのやり方を徹底的に行うことは、国内中小企業にとっても重要であり、必要なものになります。

私の支援先企業の多くは、オープンイノベーションのやり方を徹底的に行っています。

これは、インターネット・ITに直接的に携わっていなくても、多くの企業が、既存事業基盤の破壊・再構築の動きの中にいることによります。

自社の既存事業基盤を絶えず確認して、競争力を維持強化していく努力を不断的に行うことが必要です。

このときに、1社単独では、競争力の維持強化を実現することが難しくなっており、他社とのオープンイノベーションのやり方で、フットワーク良く動くことが重要になります。

自社が、他社とオープンイノベーションのやり方を行うには、自社の中でコアになる技術やノウハウをもっていることが、必要不可欠になります。

一般的にコアとなる技術やノウハウが無いと、他社とイコールパートナーシップで実行するオープンイノベーションのやり方を採用できません。

ルネサスが、IDTの強みを活かして、どのようなオープンイノベーションのやり方を行っていくか注目していきます。

ルネサスのやり方が、中小企業の参考事例の一つになるとみていることによります。
よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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