日経記事:『新興「大企業にマネされた」 協業で知財トラブル』に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

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日経記事:『新興「大企業にマネされた」 協業で知財トラブル』に関する考察

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皆様、こんにちは。 グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。


しょうしょう古くなりますが、7月20日の日経新聞に、『新興「大企業にマネされた」 協業で知財トラブル』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。本記事の冒頭部分は、以下の通りです。『チュートリアルはRPAサービスを巡りDeNAとトラブルにスタートアップと大企業の間で、知的財産や技術を巡るトラブルが相次いでいる。協業を進める際に適切な手続きを取っていないからだ。似たサービスや製品に関する特許や情報管理で後手に回っている実態もある。協業を通じて技術革新を促すオープンイノベーションを広げるには、知財保護のルール整備に加え企業の意識改革も急務だ。。。』

私は、この記事をしょうしょう複雑な思いで読みました。
私は、ITや製造業のベンチャーや中小企業を主に経営支援しています。主な支援内容は、新規事業立上や米欧アセアン地域などの海外販路開拓・集客になります。

これは、現在の日本では15歳から64歳までの生産年齢人口が急減少していることから、国内市場規模が縮小しており、ベンチャーや中小企業が起こす新規事業の収益拡大には、米欧アセアン地域などの海外販路開拓・集客が必要不可欠なことによります。


私の支援先企業の多くは、国内市場開拓と並行して、米欧アセアン地域などの英語圏の海外販路開拓・集客を行います。中には、国内市場での開拓・集客を行わずに、米欧アセアン地域などの英語圏の海外販路開拓・集客を行う企業も一定数存在します。

国内市場で、ベンチャーや中小企業が新規事業などを行う場合、多くのケースで相手企業や最終顧客から、その企業の社歴や経営規模、資本金の大きさ、従業員数などについて関心がもたれます。

取引先や顧客の中には、上記の条件を一定程度満たさないと取引しない、購入しないなどの行動を取られる場合が、あります。その主な原因は、その企業の社会的信用が低いなどの理由によることが多いです。

米欧の地域では、一般的に企業の規模や社歴などへの関心が低く、当該企業が提供する商品、サービス、技術などの新規性、先進性、独創性、競争力、差異化・差別化ポイントなどについて、多くの関心がもたれます。

その意味から、このような他社にない強みをもつベンチャーや中小企業は、国内より米欧の方が事業展開しやすくなります。現在は、インターネットやITが急速普及していますので、米欧との会話や事業の実施も、低コストで高効率に行える事業環境も後押ししています。

私は、このようなベンチャーや中小企業の海外事業展開のやり方の一つとして、米欧企業とのオープンイノベーションのやり方を積極的に取り入れています。

オープンイノベーションのやり方は、参画企業がイコールパートナーシップで実行する連携・協業(アライアンス)です。このやり方の前提条件は、参加する全企業が「Win/Win」になることです。

オープンイノベーションのやり方は、参加する全企業が、お互いにベネフィットがあることが前提条件になります。Win/Win」の感じが無くなったと考える企業は、そのオープンイノベーションのチームから離脱します。

このようにオープンイノベーションのやり方は、柔軟性をもっていますので、参加する企業や離脱する企業がもっているノウハウ、特許などの知的財産を守ることが必要不可欠になります。

このため、オープンイノベーションに参加する企業は、しっかりとした共同開発契約、機密保持契約などを締結します。これらの契約書は、英文契約書になります。英文契約書は,多くの場合,英米法の考え方を基礎にして作成されます。

英米法の定義については、下記ウィキペディア(Wikipedia)のWebサイトを参照してください。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8B%B1%E7%B1%B3%E6%B3%95

オープンイノベーションに参加する企業は、上記英文契約書の内容を理解して、自社に不利にならないことを確認して締結します。英米法では、締結した契約書の不備を見過ごして、自社に不利益が発生した場合、当該企業の責任となります。

これに対して、日本では一般的に大陸法の考え方に基づいて、契約書が作られているとされます。大陸法については、下記Webサイトをご参照ください。https://www.wikiwand.com/ja/%E5%A4%A7%E9%99%B8%E6%B3%95

日本で結ぶ契約書は、米欧企業と結ぶ契約書と異なって条項の数が少なく、英文契約書に慣れていると、あまりにも曖昧で、ザルとなっている契約書に見えます。

私が国内で支援するオープンイノベーションに参加する企業には、英米法に基づくしっかりとした日本語の契約書を作って、全参加企業が不利にならない環境を整えます。

このやり方に同意できない企業には、オープンイノベーションへの参加を辞退してもらいます。本記事にあるような、大手企業がベンチャーや中小企業のノウハウなどの知的財産を勝手に使う状況が生まれないようにしています。

ベンチャーや中小企業が、大手企業などに自社の知的財産を勝手に使われないようにするためには、機密保持契約や共同開発契約などの契約書の内容をしっかりと理解して、自社に不利にならないことを確認して実行する経営姿勢が必要不可欠になります。
ベンチャーや中小企業は、このことをしっかりと理解して欲しいと期待します。

よろしくお願いいたします。


グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


     



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