- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- カナダ留学・クリティカルシンキング専門家
またしてもアメリカホームステイ中の日本人からの悲鳴です。
アメリカのホームステイ事情が目を覆いたいほとひどいことは別として、この相談には「日本からの視野」でしか考えられない幼さも感じます。
このような狭い考えのまま、現在のアメリカに留学することは大きな危険をはらんでいるようです。
【質問】
ホームステイ先で殺されるのではないかと心配です。
私は今アメリカに留学しており、4日目です。ホストファミリーは一人で女性で弁護士の仕事をしているそうです。
そこで問題なのが、ホストマザーとうまく行っていないことです。私は英語がまだペラペラではないため、あまり聞き取れません。なのでもう少しゆっくりお願いしますと言いますが、聞いてくれずずっと早口ですし、夜ご飯や朝ごはんも雑でフルーツをカットせず出てきます。コップなどお皿にもカビが生えており、それを見てしまうと尚更食べられなくなってしまい体調がとても悪いです。
大学への行き方もあまり詳しく教えてくれず、毎朝早く家を出なくては行けません。それとホストマザーも仕事があると行っていますが、言っていた時間と全然ちがい、夜遅くだったり早朝だったりで、わたしを送り迎えしてくれると言っていたのに、急に「今仕事なの。」とメールがあり、タクシーを使わなければなりません。
しかも弁護士関係の本というか本が家に全くないんです。ホストマザーは家ではyoutubeを見ていたりと、本当に弁護士なのか疑ってしまいます。このままではやっていけそうにないのでホストファミリーを変えてもらうように留学管理の方にお願いをしてもらいました。
しかし、お願いをしてもらった時から急に今のホストマザーのメールでの態度が変わり、今さっき家に一人でかえったところ家に誰もおらず、なぜかwi-fiも切られてしまい、怖くなって今近くのスタバにいます。
このようなホストマザーは普通なのでしょうか。それともお金目当てでしょうか。なんかホストファミリーを変えるという理由で恨まれて殺されそうで怖いです。
【回答】
アメリカ留学のホームステイ状況ますますInsane(正気の沙汰ではない)にでしょうか。
大学年齢の方のようですが、同じ状況が日本からの高校留学生にも起こっているのが最近のアメリカホームステイの実態です。
カナダ在住、日本からやって来る優秀な学生の支援を行いそろそろ30年になります。
カナダから「高校留学の呆れる実態」を日本の親子に向けて発信を続けています。
トランプの率いる人種差別アメリカの影響で、もともと崩壊間近だったアメリカのホームステイ自体、有色人種である日本人学生には決して安全とは言えないものになってしまいました。
このご相談に現れている内容も、現在のアメリカの惨憺たる社会事情を反映していると思います。
ご相談内容から、次のことが推測出来ます。
1.現在のホストはあなたの払うホームステイ費に惹かれホストを引き受けた。
(これはアメリカもカナダも同じ。ほぼすべてのホストはホームステイ費目当てです。)
しかし、お金目当てのホストが学生が出ていこうとするたびに殺人を犯していたら、今ではアメリカ・カナダで膨大な数の留学生が殺されていることになりますよ。
2.従って、ホストの収入は余り高くはないか、あるいは借金を抱えているか。
ホストの仕事は弁護士であれ、弁護士事務所の手伝いであれ、契約通りのことをしてくれている限りステイしている学生が文句を言うことではありませんが、生活は余りうまく機能していない方のようです。
アメリカもカナダも大都市部では住宅費、生活費の高騰から給料のほとんどが家賃やローンに消えて行くという事態になっています。
そのため、他の出費にカードを使いすぎ破産する人の割合も年々増え続けているのが現状です。
残念ながらホスト志願する人たちは、ホームステイ費を生活費としてあてにしている場合が非常に多いです。
留学生のケアに使うのではなく、自分たちの生活費としてあてにしています。
3.家に誰もいないということ = ホストマザーが怒っていることにはすぐには結びつかないですね。
仕事で忙しい方のようですので、異常な事態ではないのでは?
4.wifiが切れているのも上の#3が理由かも知れませんよ。
wifiのお金が払えていない可能性も否定出来ません。
______________
じゃぁ、すぐにホスト変更すべきかと言うと、難しいですね。
悲観的ホスト不足のアメリカでは、次のホストがみつかる保証もなければ、次のホストがより良いホストであるという保証もありません。
また、日本の常識をそのままアメリカに持ち込もうとしても自分が追い込まれるだけです。
フルーツをカットして食卓に出してくれるのは日本のお母さんのイメージでしょうか。
食事が雑なのも、日本と比べているのでは?
食器が汚ければ、自分で洗い直したらいいと思いますしね。
大学への行き方でわからないことがあれば、何度も聞けばいいか、自分でGoogleすればいいだけの話では?
ホストに契約以上のことを期待しすぎている傾向はとても危険ですからね。
ま、こんなアメリカに希望して来てしまったからには、あなたから順応することも必要でしょうね。
まずは、ホスト側の立場に立って考えてみると良い関係が築けるかも知れません。
「あれしてくれない」「これもしてくれない」ではなく、ホストも「この留学生はこれもしない、あれもしない」不満がいっぱいかも知れませんよ。
食費を出してもらっているルームメートのつもりで、話をしたり、家事を手伝ったりすることも一案ですね。
外部に相談し、ホストチェンジを依頼する前に、ホストマザーをもっと知ること。
そうしたら、ホストマザーもあなたの存在にもっと関心を持ってくれるようになるかも知れません。
Good luck!
このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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