- 三島木 英雄
- 株式会社FPリサーチパートナーズ 代表取締役
- 神奈川県
- ファイナンシャルプランナー
対象:お金と資産の運用
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用
公的年金はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が運用している。
過去の運用成果などはホームページで誰でも閲覧できる。
平成26年3月末現在の運用割合は下図の通りで日本国債が約55%を占め安定運用である。
私達の年金を運用するのであるから比較的安定的な債券主体の運用も当たり前とも言える。
ただ少子高齢化、人口の減少で今の年金制度を維持するには高い運用リターンが必要であると共に
「人口の維持」が必要不可欠だ。人口に関してはいずれ「移民政策」という議論が開始されると想定している。
運用リターンにおいては利払いの殆どない日本国債では運用リターンが足りず日本国債の比率を下げる準備を
進めている。国債に投資しない代わりの投資先は日本株式・外国株式になる。
参考までに下図はこれまでの運用成果だが、やはり債券主体なので比較的安定的ではあるが
この運用成果では将来の年金支払いに対応はできない。
円安期待(円売り)と株高
GPIFの運用方針切り替えは市場にダイレクトに反応しており円安ドル高が進行している。
国債で運用しないで外国株式投資が増えるという事は「日本円を売って外国株式」を買う事になるため、
円の流通量が増え価値が下がるという考え方だ。(円安)
これに米国の利上げ観測も加わりドル円は一気に105円台まで動いた。
また日本の多くの企業に円安はプラスに働く為、相乗的に日本株式へもプラス効果が出ており
日本株式も投資対象になっていることもあり日本株の上昇期待も高まる。
GPIFの株式運用引き上げは金融市場関係者だけでなく、株式取引を行う我々にも間接的な恩恵を与えそうだ。
アベノミクスで一段上がった株式市場だが、GPIFが本格的に株式運用比率を高めると
・GPIFの株式購入による株価上昇
・外国人投資家の参入による株価上昇(売買高増)
・株式保有者の利益増
など様々な良い影響が考えられ、市場は活気づく可能性に期待が高まる。
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