- 三島木 英雄
- 株式会社FPリサーチパートナーズ 代表取締役
- 神奈川県
- ファイナンシャルプランナー
対象:お金と資産の運用
税率10%の内に売却したほうが得なのか?
株式の譲渡益や配当金に対しての課税が
来年NISAが始まることもあり、現行の10%(10.147%)から
本則の20%(20.315%)へ来年から戻る。
※以下復興所得税は記載せず、10%と20%と記載。
気になることは「今の含み益」の取り扱いだろう。
アベノミクス相場もあり、多くの方の株式が含み益状態に
なっているのが通常だ。
単純に考えれば、上記のような場合、税率が10%時に
利益を確定し、また買いなおすことで税率20%は避けられる。
必ずしも今年利益確定が有利ではない
とある仮説で説明したい。
■購入時100万円、現在150万円、含み益+50万、利益率50%
という状態にしよう。
来年から税率が20%になるのだから、今年中に売ったほうが
良いと感じるだろう。
■今年売却
+50万×10.147%=約5万納税
↓
5万の納付で済ませ150万の株式含み益ゼロの状態になる
購入価格150万、現在150万、含み益±0万、利益率0%
■想定通り値上がりした場合
株式が想定通り好調で200万まで値上がりした場合
一度利益確定し納税しているので、今回の利益は
200万-150万=50万となり20%の納付でも約10万の納付で済む。
100万~200万の値上がりした中、5万と10万の納付で15万円で済んだことになる。
一方で利益を確定していなければ
200万-100万=100万の利益であり
100万×20%=約20万の納付となり5万円程度多く納税が発生する。
これが一般的考えだが・・・・
値下がりすると実は身動きがとりにくく・・・
仮に150万の株式が100万円に再度下落した場合を
考えてみよう。
100万で買ったものが100万に戻っただけなので
昨年利益確定していなければ
±0になるだけだが、利益確定していた場合は下記のようになる。
購入価格150万、現在100万、含み損-50万、損益率-50%
昨年納税額約5万円
含み損がある状態で、なおかつ昨年税金を納めているという状態に
なることもあるのです。
簡単に言えば、身動きが取りにくい「含み損」状態かつ
税金支払いしてしまった・・・ということです。
必ずしも今年に売却が良いかどうかは「今後の株式の成長次第」という
ことも言えます。
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