- 中舎 重之
- 建築家
対象:住宅設計・構造
スジカイの部材に「フシ」のあるのは、避けて下さい。
圧縮がかかれば、フシの所で折れます。 スジカイの材料は無ブシが基本です。
90mm角をタスキで使用するのは感心しません。 意匠として見せるのならOKです。
耐力壁としてならNGです。 壁倍率が2x3.0=6.0となり、
建築基準法・施行令の壁倍率5.0以下とするをオーバーします。
壁倍率5.0以下と抑えているのは、木造住宅では高い倍率の壁を少なく入れるよりも、
低い倍率の壁を建物全体にまんべんなく配置しなさいとの事です。
それが、在来木造軸組工法に一番フィットするからです。
「四分割法」の話です。
耐力壁の配置が片寄らずにバランス良く入れなさいとの主旨です。
南と北、東と西を等しく成るようにとの意味です。此処に間違いの元凶があります。
中央部に付いて明確に触れていない事が誤解を生みました。
基本的な解説をします。 規準の本質は必要壁量の1/4を両側にいれ、
残りの2/4は中央に配置すべきなのです。
実際の設計と検査機関への申請では、必要壁量の2/4を両側に入れて、
中央部が0/4になっている例が多いと思われます。
勘違いも度が過ぎています。
建物に風圧力が掛かる場合は外壁側のみです。
耐力壁は4隅に配置するのが有効です。
地震力は建物の中央部で重量が大きい所に発生します。
その力は、当該重量の20%が水平に掛かるとしています。
建物の中央部にサイズの大きい梁があれば、 その梁を受けている柱の前後左右に、
重量の20%の水平力に見合う耐力壁を配置すべきです。
その場所で耐力壁が取れない場合は、
近くの耐力壁に力が伝達できる様に2階の床剛性を高めて下さい。
繰り返します、建物の外側の耐力壁は風に対して有効です。
建物の中央部の耐力壁こそ地震に抵抗する期待の壁です。
耐力壁の配置は建物の両側には1/4、中央部にこそ2/4として下さい。
耐力壁の使い分けの話です。
当方の設計では大別して、2階部分にはスジカイを使用し、1階では構造用合板を採用しています。
構造用合板は柱の間隔が610~910mm迄が最も合理的です。
柱の間隔が1365mmですと構造用合板は横貼りになりますし、受け材が横に2カ所必要です。
スジカイですと、柱の間隔が1365~1820mmでも無理なく設置できます。
此の使い分けはコストダウンにもつながります。
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