- 中舎 重之
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対象:住宅設計・構造
4:構造用合板
貼り方の話です。
構造用合板の貼り方に、大壁と真壁の2種類があります。
大壁は洋室での仕様です。柱を見せないで柱の外面に壁材を貼ります。
真壁とは和室での仕様です。柱が見えていて柱と柱の間に壁材がきます。
現在の建物は洋室が中心なので大壁仕様になります。
耐力壁として構造用合板を貼る場合は、基本的には、土台から横架材まで1枚物を使用して下さい。
3x9版(高さ2730mm)か、3x10版(高さ3030mm)かです。
教材には、上部に3x3版と下部に3x6版を接ぐ絵がありますがNGとして下さい。
釘はN50をピッチ150として、タテ・ヨコとも同じですが、
水平力が掛かる時は釘のせん断力抵抗は最初にヨコ方向が頑張ります。
横が重要との意識を持って下さい。
耐力壁の配置ですが、2階と1階とが接するようにして下さい。
階段室や吹抜部には、其の部分の重量だけを負担する耐力壁として、
建物全体の耐震としての壁量からは除外して下さい。
床の水平構面がない事で、建物の耐震としての働きが無いと見なして、
建築審査機関でも、その点を指導しているようです。
必要壁量の話です。
建築基準法・施行令第46条に建物に必要な壁量が定められています。
地震力に対しては、床の面積で計算します。風圧力に対しては、外壁の
見付け面積で算定します。
問題なのは、此の第46条で定めた壁量計算の基本的耐力の壁倍率が、
1.0=130kg/m(1.28kN/m)である事です。
構造計算では、壁倍率1.0=200kg/m (1.96kN/m)
として壁量を計算します。
此処において、構造計算と第46条との壁量の差が 200/130=1.5倍となります。
第46条での設計では、壁量が大幅に不足します。
構造計算書付きの設計では、建築基準法で定めている気象庁震度5強で、
建物は損壊しても倒壊しないとする方向を向いています。
メディアでは此の震度5強を震度6弱と間違えて報道しています。
設計での標準せん断力係数=地震加速度/重力加速度=200/980=0.2
の地震加速度200galは震度5強に相当します。
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