強い家造り  13 - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

中舎 重之
建築家

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対象:住宅設計・構造

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強い家造り  13

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  通し柱の話です。

通常、通し柱は4隅に入れます。 吹抜や階段等の床が貼られない所では、

通し柱を入れる方が良いとは考えています。

通し柱の寸法は120mm角です。 此処に2方向から2階の梁が取り付きます。

梁を取り付ける為に柱を切り欠きます。 これが断面欠損と成り、柱材を弱くします。

 素材の断面を100とすると、2方向から2階の梁での仕口部の断面は50になります。

これが木造での最大の弱点になります。

人によっては、通し柱ではなく1階と2階に管柱を設けて金物補強にて、

緊結するのが良いさえ言います。

  通し柱が120角の場合、層間変形角1/90にて破壊するとのデータもあります。

耐力壁(スジカイ45x90、構造用合板)が地震時に働きだすのが層間変形角1/60との事ですので、

耐力壁の効果が出ると同時に通し柱にも損傷が出始めます。

此の損傷を最小限に止める方法として、

通し柱の2方向に構造用合板を貼り、柱と一体化させる事が考えられます。

それにより、二次的効果として壁配置のバランスも良くなります。


  柱の長さ(階の高さ)の話です。

柱材に長さ3mを使用する場合、採用する構造用合板のサイズに合わせるのも良いでしょう。

構造用合板3x9版(910x2730mm)ですと、土台の天端より2階の梁天端まで2650mmとなります。

構造用合板3x10版(910x3030mm)ならば、同じく2980mmとなり、

これもコストダウンの一助にはなります。


  梁(横架材)の話です。

梁のサイズ(断面)を決める時の目安を記します。

木材は、ヤング係数が低く、変形量(タワミ)が大きくなる材料です。 

さらに含水率による影響も受ける事で、設計者の判断を狂わせています。

梁のタワミは屋根や外壁からの雨漏り、床の傾斜と床鳴り、建具の開閉の不具合などと、

居住性に多大な悪影響を及ぼします。

  建築基準法での規定では、変形角=(変形量/スパン)=1/300以下かつ変形量2cm以下

と決められています。

変形量が2cmもあると、それだけで住む人を不安にさせます。

  変形角1/300で、張間3間(540cm)での変形量を計算します。

変形量=540x(1/300)=1.8cmになります。

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